2019年、令和元年もいよいよ終わりが近づいてきました。皆さんは、年のはじめに立てた目標を達成できたでしょうか。
残念ながらあと一歩届かなかったり、途中で挫折してしまった人は、「来年こそはいい年にしよう!」と新しい目標に向かい始めていることでしょう。
2020年こそ絶対に目標を達成したい──。挫折を繰り返さないためにはどうすればいいのでしょうか。弁護士として多くの経営者、成功者を間近に見てきた三谷淳さんは著書、『最高の結果を出す 目標達成の全技術』で「達成できる目標を設定するためのポイント」を6つ挙げています。新年に良いスタート切るための参考に、それぞれ紹介していきましょう。
1.ワクワクする高い目標を設定する
ポイントは、何といっても「ポジティブ思考」です。自分は何でもできるのだという前提で、目標をクリアする姿を想像し、ワクワクしながら考えることが重要です。(56ページより)
「未達で恥ずかしい思いをしたくない」などと考えて、「そこそこの努力で達成できそうな数字」を目標にしてしまう人がいます。しかしそれでは、上司から言われた数字であっても自分で設定した数字であっても、「嫌々宿題をやっている小学生」と大差がありません。そこには、「この目標を達成したらどんなに素晴らしいか」というワクワク感がないからです。
達成すべき目標は、自分がワクワクするできるだけ高いもの、つまり「できる数字」ではなく「やりたい数字」に設定するのがコツです。
自分の可能性を信じ、ポジティブ思考で、できるだけ高い目標を設定するほうが達成確率が上がる。三谷さんは自身の経験からそう考えています。
2.似たような目標を達成している人に相談する
人の脳というのは、誰か他の人と話をしたり、一緒に行動をすると楽しく感じる性質を持っています。ですから、未来の目標も、自分一人で考えるより、誰かと一緒に考えたほうがワクワクして単純に楽しくなり、楽観的に考えることができるようになります。(63ページより)
友人や先輩など、あなたのことをよく知っている第三者に相談するとワクワクする目標が設定でき、達成確率を上げられます。上記のように楽しく楽観的になれると同時に、他人から共感してもらうことがモチベーションにいい影響を与えるからです。
また、自分だけでは気がつかないことを相談相手が気づかせてくれることもあります。他人から「お前ならできる」と言われると、本当にできそうな気がしてくるものです。
ただし注意点がひとつ。相談相手は、「次々と高い目標を達成している人」「自分と同じような目標を楽々と達成している人」にしましょう。
たとえば、独立起業を考えているときに家族に相談してネガティブな反応をされることがよくあります。それはあなたを信頼していないのではなく、家族に起業の経験がないために、その意義や楽しさがわからないからです。
お客様を増やしたければ営業の上手な人、ダイエットをしたければダイエットに成功した人やたくさんの人をやせさせた実績のあるトレーナーに相談を持ちかけましょう。
3.期限と検証可能性のある目標にする
「いずれは自分の店を地域ナンバーワンのお店にしたい」というのは目標とは言えません。「夢」です。目標と夢の違いは、「検証可能性」と「期限」の有無にあります。
「達成したかどうかを客観的に判断することができるか」。これが検証可能性です。先の例で言えば、どうなったら地域ナンバーワンのお店と言えるのかがはっきりしないので、実現したかどうかを判断することができません。
また、「いずれこうなりたい」と言うときの「いずれ」は永遠にやってこないものと思っていた方がいいでしょう。期限を設定しなければ具体的な行動計画に落とし込めないので、行動を後回しにしてしまいます。
「世田谷区の健康食品販売店でナンバーワンを達成する。そのために2020年は売上10億円を目指す」。このような目標なら、一気に実現の可能性が高まります。
このように、目標設定には、
・検証可能性(達成したかどうかが客観的に判断できる)
・達成期限(「いずれ」は永遠に実現しない)
が必要です。
「いつまでに、何を達成する」をセットにして目標を設定してください。
(80ページより)
4.具体的で長すぎない期限を設定する
では、目標の達成期限はどれぐらい先に設定するのがよいのでしょうか。
答えは、集中すれば達成できる最短の期間です。
(中略)
期限までの期間が長すぎると、どうしても中だるみができたり、本気になれなかったり、ワクワク感が続かなかったりして達成の確率を下げてしまいます。(81ページ)
目標を次々と達成する人たちは、「この目標を達成するのに最短だとどれくらいでできるのだろうか」という発想で期限を考えているそうです。
期限までに余裕がありすぎると、心理的に負荷やストレスがかからない状態(心理学用語で「コンフォートゾーン」と言います)にいるので、「明日やればいいや」の繰り返しになります。潜在能力を発揮するにはある程度ストレスがかかっている状態(同じく「ストレッチゾーン」と言います)にいたほうが良く、そのためには適度に短い期限を設定するべきです。
もちろん長期にわたって高い目標をかかげ、努力を続けることは素晴らしいことです。しかし、そのような場合にも、たとえば1年ごとに期限を区切った目標も同時に設定すると達成の確率をさらに上げることができるはずです。
5.達成したときたくさんの人が喜ぶ目標にする
あなたが立てた目標を達成できたとき、あなた自身が嬉しいのは当然のことです。しかし、嬉しいのはあなただけではないはずです。ここでは、あなたの目標を達成したときに喜んでくれる人を想像し、できるだけたくさん書き出してみてください。
また、その人がなぜ目標達成を喜んでくれるのか、その理由も一緒に書き出してください。(86ページより)
自分以外のたくさんの人も喜んでくれる目標のほうが、達成できる確率が上がります。なぜなら、自分の欲ももちろん大事ですが、人は自分のためより他人のためのほうが頑張れるものだからです。また、たくさんの人を喜ばせる目標には、たくさんの人が協力してくれるからです。
三谷さんも師事したカリスマ経営者の稲盛和夫氏も、「たとえ強い願望であっても私利私欲に端を発したものは一時的には成功をもたらすかもしれないが長続きしない」と言っています。
ぜひ、あなたの成功を喜ぶ家族や恩師、友人たちの顔を想像しながら、名前を書き出してみましょう。
6.高すぎない目標にする
「ワクワクする高い目標を設定する」ことはとても重要なのですが、非現実的な目標ではモチベーションにつながりません。三谷さんは、高すぎる目標設定をしないために、目標の難易度を数値化して検証することをすすめています。
あなたが保険の営業マンで、来期の売上目標を設定しようとしているとします。たとえば今期の売上が400万円で、来期もこれまでどおり特別な努力や新しい取り組みをしなかったとしても同じぐらいの売上は上げられるだろうと考えているとすると、400万円の難易度は0(新たな努力ゼロで達成できる目標)です。
一方で、人脈を増やす、保険の勉強をして商品知識を増やす、たくさんのアポを取る、営業スキルもアップさせるなど、考えられるあらゆる努力をして、さらに幸運にも恵まれたときに考えられる最高の結果を考えてみます。
仮にこの場合の売上が1000万円だったとしましょう。
だとすると、売上1000万円を達成する難易度は100(努力と運がマックスの状態)となります。(95ページより)
あらゆる条件が揃ったときに実現できる「難易度100」を超える目標は高すぎる目標です。かといって、10とか20のレベルではワクワクしませんし、本気になれません。
0と100の間でできるだけ難易度の高いもの、自分で「70~80くらいかな」と感じるレベルが、ワクワク感が持続し達成の確立を高める目標と言えます。
『最高の結果を出す 目標達成の全技術』(三谷淳著)から、「達成できる目標設定のための6つのポイント」を紹介しました。「2020年こそ!」と意気込んでいる方は、同書も参考にしてみてください。