「ついこの前、つかまり立ちを始めたばかり」と思っていたのに、今では所かまわず全力疾走するように……と、子どもの成長は早く感じませんか。だからこそ「すぐに見られなくなるあどけない姿を残したい!」と、子どもにカメラを向けたくなるもの。そのとき知っているといいのが構図やアングル、光の当て方などの知識です。
そこで、ママさん向けフォトレッスンなどで活躍しているプロカメラマン・椎名トモミさんの著書『この通りにやれば必ずキレイに写せる 子ども写真の撮り方』(椎名トモミ著/薮田織也監修、以下本書)と先日行われたフォトレッスンの内容をもとに、スマホ撮影にも応用できる「上手な子ども写真の撮り方」をみてみましょう。
子ども写真(キッズフォト)を複雑な構図で撮るのは至難の業
ネットや本で写真の撮り方を調べると、真っ先に出てくるのが「構図を意識しましょう」というもの。代表的なものとして「奥行きを感じさせたければ放射線構図を意識」「二分割構図やシンメトリー構図はバランスや安定感がでる」といったものがあります。
でも、子どもの撮影で高度な構図を使うのは簡単ではありません。まだ動けない0歳児や、七五三・入卒園式といったある程度フォーマルな場ならともかく、「動き回って遊ぶ子どもの日常を思い通りの構図(位置関係)で撮る!」というのは至難の業……というか無理です。子どもからしたら「写真を撮ってもらうために遊んでいるわけじゃない」ので仕方ありませんよね。
でも、子ども写真を撮るときに、簡単で効果的な構図があります。それが「日の丸構図」と「三分割構図」。
とりわけ、画面の縦と横を三等分にして、それをつないだ線の交わったところに被写体を配置する三分割構図は、キレイな背景と子どもを撮るときにオススメ。「三等分が難しい!」と思うかもしれませんが、被写体を真ん中から左右どちらかに少しずらすだけでもOK。カメラの画面に三分割のグリッドを表示すれば簡単に構図が決められます。
子どもをアップで撮るときや子どもが主役の写真を撮りたいときは「日の丸構図」。きれいな背景も写しつつ、子どもも撮りたいときは「三分割構図」。撮影に慣れるまでは、この二つの構図だけ意識していればよいでしょう。
「ほんのちょっと」のコツで、よりかわいく・すてきな写真に
動き回る子どもを撮るときにはあまり細かいことを気にしていられませんが、とても簡単なのに、写真がグッと変わるコツがあります。
それは「アングル」を意識して撮ること。