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グラフィックのワークフロー(『新版 広告の基本』P.141より一部編集のうえ引用)

広告制作において重要な規制・法律

自社の商品やサービスをどのように表現し、売り込んでいくかは各企業の自由です。たとえば、秋の風物詩「ボジョレー・ヌーボー」のキャッチコピーは、生産地フランスの「ボジョレーワイン委員会」が発表する品質予想(なお、この予想自体は控えめな表現)をベースとして、販売業者側が

  • ここ10年で最高(2001年)
  • 100年に1度の出来、近年にない良い出来(2003年)
  • 50年に1度の出来栄え(2009年)
  • 今世紀で最高の出来(2015年)

のような、品質の良さをこれ以上なく強調するフレーズに変えたうえで付けられます。

とはいえ、あらゆる商品および広告で過大なフレーズが濫用されると、ものによっては優良誤認や健康被害のような不利益が生じかねません。そのため、法律や各業界・媒体社の自主規制によって「広告で使ってはいけないフレーズや表現、規定」が定められています。

たとえば、先ほどのような化粧品広告では「医薬品医療機器等法(薬機法、旧薬事法)」、およびそれに基づいて日本化粧品工業連合会が定めた「化粧品等の適正広告ガイドライン」によって「『使ったその時から肌が白くなった』『肌の白さが実感できる』のような表現を用いて美白効果を謳うのはNG。『メーキャップ効果によって白く見える』に類する表現ならOK」など、大小さまざまな規定があります。

薬機法以外にも広告表現を規制する要素として、他の商品と誤認するような売り込み方を禁じる「不正競争防止法」や誇大・虚偽表示を禁じる「景品表示法(景表法)」、著作権法や商標法などがあります。

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広告に関する様々な法律・規制(『新版 広告の基本』P.191より一部編集のうえ引用)

ここで解説した制作過程は一般的なものですが、もちろん予算や規模によって多少変動します。「広告会社には枠の手配だけを頼み、掲載・放映する広告素材は社内で用意したものを使う」という場合もあれば、「動画の撮影~編集まで社内で完結させ、Youtube上の公式チャンネルにアップする」というケースもあるでしょう。

広告関連業務に携わる方法は、かつてのように広告会社や制作会社に勤めるだけではなく、事業会社のインハウスクリエイターとして活躍するなど多様化していますが、こうした基本となるワークフローを知っておくと役に立つのではないでしょうか。