無料でカンタンにはじめられ、インターネット上での情報発信力では、すでにあるグルメサイトを凌駕しているともいわれる「Googleマイビジネス」を知っていますか?
日々の忙しい飲食店業務のなかSNSなどに時間をとられることもなく、宣伝にお金をかける必要もなし。無料でGoogleのトップに表示させることで、来客数を一気に増やすことができるビジネスサービスです。このサービスを活用すれば、毎日行列のできる飲食店にすることも可能になるかもしれません。
まだ、あまり知られていないこのウェブサービスの仕組みを教えてくれる『無料でカンタン! 儲かる飲食店に変わる「Googleマイビジネス」超集客術』(戎井一憲:著/染谷昌利:監修)をみていきましょう。
まだ知られていない「Googleマイビジネス」は穴場!
「Googleマイビジネス」とは、世界的に圧倒的なシェアを誇る検索エンジン「Google」を用いた販促手法です。具体的には、ある地域でGoogle検索をしたときに、ページの最上部に店舗情報と地図上の位置が表示される仕組みのことです。費用は一切かからず、一度きちんと店舗情報を登録しさえすれば、あとは簡単な投稿だけでお客様に情報を提供したり、コミュニケーションをとったりすることのできるツールです。
検索結果の最上位に登場させることで、一般的なグルメ紹介サイトよりも優位にユーザーにクリックされやすくなります。近い将来、ユーザーが飲食店を探す際の主要な情報インフラになる可能性もあり、利用しない手はありません。
そうはいっても、いまいちピンとこないという人もいるかも。しかしこの「Googleマイビジネス」の表示、実はほとんどの人が見たことがあるはずです。
たとえば、外出先のランチでカレーが食べたくなったとき、スマホで「カレー 高田馬場(地名)」といったキーワードで検索します。すると以下の図のように表示されます。
画面上の地図にはフォークとナイフのイラストつきの赤いマークが3つ表示され、その下にカレー屋の3店舗の店名、評価などが表示されています。ウェブサイトは、検索結果の上位に表示させたいものですが、この3店はどの検索結果よりも上に掲載されています。これはスマートフォンだけではなく、PC上でも同じです。
この位置に掲載するための仕組み、それがGoogleマイビジネスなのです。
路地裏の目立たなかった焼き鳥店が繁盛店に!
ここで、1つ実際にあった事例を紹介します。
2015年11月に新宿区西早稲田にオープンした「焼き鳥 鳥でん」。丁寧に串打ちした焼き鳥を紀州備長炭で焼き、焼き鳥に合う日本酒を常に研究して、提供している専門店です。しかし、路地裏・半地下で営業しているため、なかなかお客さまに認知されずにいました。有料のグルメサイトに掲載したものの、なかなか集客にはつながらず……。
そんななか、2017年9月に地元のウェブメディアに紹介され、時を同じくして店主はGoogleマイビジネスのことを知ります。「費用はかからないし、やらない手はない」と、さっそく店舗情報を登録したところ、徐々にお客様が増え始めました。
ウェブメディアでの来客は一過性だったものの、そのとき来店したお客様の口コミと、それを見聞きした人たちの検索、さらには自分で「高田馬場 早稲田 焼き鳥」と検索して来店した人たちも増えたのです。そんなお客様の来店理由を聞いてみると「Googleで検索したら上位に出てきたから」といった声が多かったといいます。
店舗名や住所、カテゴリ、サービスで3か月で5,670回検索され、検索と地図で表示された合計の表示回数は1万500回でした。この数字が多いかどうかは一概にはいえませんが、「Googleマイビジネスで店舗情報をウェブに掲載しなければこの露出はゼロだった」ということは確実です。
これらの検索がすべて来店につながったかどうかはわかりませんが、店主がGoogleマイビジネスをはじめてからたったの4か月で、来店したいお客様が電話で空席を確認しなければならないほどの人気店へと生まれ変わったのです。
お店のHPを無料で、30分足らずで作成できてしまうサービスまである!
「Googleマイビジネスは便利そうだけど、そもそもお店のHPがないし……ウェブでの販促には自信がない……」
こう思う店長さんもいるかもしれませんが、そんな悩みもGoogleマイビジネスはカバーしています。それはGoogleマイビジネスの機能で、お店のHPを無料で作成できるのです。
これは2017年6月に公開された新しい機能ですが、Googleマイビジネスの通常機能と連動させることで、さらなる集客効果を実現させることができます。ここで、2014年8月にオープンした、新宿区西早稲田にある居酒屋さんの事例を紹介します。
すでに自店のFacebookページへの投稿は熱心にしており、Googleマイビジネスへの登録も行なっていたそうです。同店のGoogleマイビジネスの表示を見ると、「食べログ」や「Facebook」との紐づけがされていることがわかります。Google上での口コミも増えつつあり、混み具合のグラフも出ていました(図参照)。
ユーザーはGoogleマイビジネスの表示の右上にある「ウェブサイト」というボタンをクリックすることで、お店のウェブサイトにジャンプし、お店のことをより詳しく知ることが可能です。
この機能を知った店長は、さっそく「ウェブサイト」作成にチャレンジしました。超アナログな店長でしたが、用意されている流れにそって情報を登録していくことでサイト作成には30分もかからなかったといいます。
以下が作成したサイトです。 このように、Googleマイビジネスを利用すると、多くの店長さんが常に抱えている懸念材料「お店のHPを作らなきゃ」もすぐに解消することもできてしまうのです。
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Googleマイビジネスへの登録から投稿のコツ、さらには「お店の情報がどれぐらい検索されたか、表示されたか」「その表示を見てお客さんがどのようなアクションをとったのか」などを分析する機能「インサイト」の活用法、無料HPサービス「ウェブサイト」など、『「Googleマイビジネス」超集客術』を読めばウェブ知識がゼロでも大丈夫、確実に集客につながるノウハウを知ることができます。
新しい集客術として注目を浴びつつある「Googleマイビジネス」。「うまくお客さんに情報を届けることができない……」と悩んでいるお店の方はぜひ実践してみてください。きっと、結果がでるはずです。