長い一文のリスク1.主語と述語がねじれやすくなる
上記のダメ文の「本プロジェクトの目的は~減らしていきます」は、主語と述語がねじれた状態です。もともと「テーマ(夢、目標、目的)+内容」の文章には、「~は、~こと」という文型があります。ダメ文は、この文型に反しています。
一方、修正文の「本プロジェクトの目的は~利用者を増やすことです」は、主語と述語が正しく対応しています。
このように、一文一義を心がけることで、主語と述語がねじれる“うっかりミス”を減らすことができます。
長い一文のリスク2.主語と述語が離れやすくなる
この文章の主述関係は、次のとおりです。
・レジにいた店員は〈主語〉 → 気づいた〈述語〉
・黄色いスカーフが〈主語〉 → 落ちた〈述語〉
ダメ文は、いずれも「主語と述語」が離れているため、意味がよくわかりません。
一方、句点(マル)を打って二文に分けた修正文では、それぞれの主語と述語が近づき、意味が理解しやすくなりました。
モモ「納得だわ。一文一義以外に注意するところは?」
モジャ「うん。山ほどある〈『ない』と言うとでも思ったか!〉」
モモ「山ほどってか! ムカつくけど、仕方ない……」
少しずつ文章のコツを身につけていくモモ。後編は2月26日公開予定です。
『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』(山口拓朗著)
【本書の章立て】
01 ひとつの文章にはひとつの意味を
02 仕事で使う文章には必ずといっていいほど目的がある
03 具体的に書くとダンゼン伝わりやすくなる
04 状況に応じてテンプレートを活用する
05 読者ターゲットの設定とニーズの把握がすべて
06 400文字の文章はワンメッセージに絞る
07 ネット上の文章で重要なSEO
08 読者が知りたいことを過不足なく書く技術
章ごとに織り交ぜられた漫画にモモとモジャ先輩のユーモラスなやり取り、わかりやすい解説で、文章を書くことが好きになる! 『そもそも文章ってどう書くんですか?』は全国の書店で発売中です。