「ホロスコープ」とは、その人が生まれたときの10個の天体(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)が、どこに位置していたかをあらわす図で、360度の円の形をしています。占星術師たちは、この星の配置図であるホロスコープを分析することによって、その人の性格、才能、運命などの基本パターンを読み取っていきます。

「アスペクト」とは、天体と天体の間に成立する角度のことで、その角度によって天体同士が調和の関係にあるか、あるいは不調和の関係にあるかを調べることができます。代表的な角度に以下の5つがあります。

(1)0度1(2)60度、(4)120度
24
(3)90度、(5)180度
35

それぞれの角度には意味があり、(2)60度と(4)120度は「イージーアスペクト」と呼ばれ、一般的に「物事がスムーズに進むよいアスペクト」といわれており、(3)90度と(5)180度は「ハードアスペクト」と呼ばれ、「障害が多いアスペクト」といわれています。(1)0度は、「イージーにもハードにもなるアスペクト」で、両者の意味を持ち合わせています。

では実際に下に示したホロスコープをご覧ください。

図1 無題2無題
これは最近結婚した、ある女性のホロスコープです。中央に線がたくさんが入っていますが、これがアスペクト。短い青い線の両端に火星と天王星があり、この2天体が60度の関係にある、と読めます。同様に、短い赤い線が木星と冥王星で90度、長い青い線が月と冥王星で120度、長い赤い線が月と海王星で180度です。天体と天体が重なっているところは0度と認識します(ここでは主要なアスペクトだけ見ていくので、緑の線については分析対象からはずします)。

たとえば占星術で女性の恋愛・結婚運を占う場合、火星が理想の恋人像、太陽が結婚相手=夫の意味になります(男性を占う場合は、金星が理想の恋人像、月が結婚相手=妻)。この女性は、火星が天秤座、太陽が射手座です。恋人は天秤座のような人が理想で、実際に結婚するのは射手座のような人になりそうです。

それをもとに、このホロスコープの女性の火星と太陽のアスペクトを見ると次のような線が入っていたので、検証すると次のような意味になることがわかります。

・火星と木星に長い青い線→120度→意味「いつも楽しくノリがいい」
・太陽と水星が重なっている→0度→意味「目的に沿って細かい作業をする」

つづいて、この女性と、結婚相手の男性のホロスコープを重ねた「二重円」を見ていきましょう(内側が女性のホロスコープ、外側が男性のホロスコープ)。

図2

アスペクトを見ると、女性の火星とお相手の金星が重なっている0度の関係です。この意味は「お互い異性として魅力を感じやすい」。恐らく、初めて出会った時からお互いに好印象をもったはずです。

また、お相手の月と女性の金星が120度です。この意味は「とても楽しく和気あいあいの関係」。なかなか楽しそうな結婚生活になりそうですが、一方で、女性の月とお相手の木星・土星が90度(ハードアスペクト)でもあります。この意味は以下のとおりです。

・月と木星90度→意味「男性側が女性側を甘やかすため、女性はルーズになる」
・月と土星90度→意味「男性側の存在が女性側を不安にさせる」

ここでネタばらしをすると、これは最近、結婚した女優の宮﨑あおいさんと、俳優の岡田准一さんのホロスコープです。岡田さんは現在、かなり仕事が充実しており、また超がつくほどの人気者ですから、上記のハードアスペクトの意味が示しているのは、一緒に過ごす時間が限られたりして宮﨑さんが少し寂しくなってしまうことをあらわしているのかもしれません。

うまくいっている恋人同士が結婚で成功するとは限らない

また相性のよしあしは、その人が相手とどのような関係を望んでいるかによっても変わってきます。

たとえば、火星星座が山羊座のA子さんは、出世して年収を少しでも上げるべく仕事をバリバリする野心的なXさんが恋人として相性がばっちりです。一方、火星星座が魚座のB子さんは自分だけのためにたくさん時間をさいてくれる一途なYさん、火星星座が牡羊座のC子さんは韓流ドラマのような波乱万丈でドラマティックな体験を味わわせてくれるZさんに好意を抱きます。

ところが運命のいたずらで、Xさんが、寂しがり屋のB子さんと結婚したらどうなるでしょうか。B子さんは、男性を選ぶとき、社会的ステイタスや高収入を重視しません。B子さんの結婚生活は「孤独を味わう修行の場」になります。

では、Xさんが、今度は情熱的なC子さんと結婚したらどうなるでしょうか。C子さんは「組織のために一生懸命働く男性」よりも「会社に辞表を出し、インドで新ビジネスを立ち上げようとするようなスリリングな男性」にときめきを感じるタイプ。枠からはみ出す行動をとらない保守的なXさんとの生活は退屈に感じるはずです。

したがって、「相性のよしあし」、ここでいう「男女の相性」は、その人の星の性質が恋愛に「どんな形」を求めているかによって異なります。

先ほど、「占星術で女性を占う場合、火星が理想の恋人像、太陽が結婚相手(夫)」と述べました。よく、「恋愛と結婚は別」といった意見を聞きますが、理想と現実が違う結果になるケースは少なくありません。

世の中を見渡すと、「夫は高収入かつ健康的な心身で子ぼんのう」「妻は美人で料理が上手で性格もいい」といった、一部の人がうらやむような夫婦が不倫問題を起こしたり、別居・離婚をしても、「相性の原理」でいえば、まったく不思議なことではないのです。

*********************************

ここでは占星術のほんの一部分をピックアップして解説しましたが、こうした「相性占星術」は男女に限らず、上司と部下、親子、友人、ペットなど、相手の誕生日と出生時間、出生地がわかれば、簡単に調べることができます。『占星術が教えてくれる 相性のひみつ』を読めば、より詳しい天体同士のアスペクトを読み解くことが可能に。気になるあの人との相性を、占星術というツールを使って調べてみてはいかがでしょうか。