A.2 直角をはさむ2辺の長さの差が1の「ピュタゴラス三角形」

よく知られているように、既約[3辺の値の公約数が1だけの]ピュタゴラス三角形の3辺の長さ(a、b、c)は、m2-n2、2mn、m2+n2(m、nは自然数で、m>n)ですべて表わすことができます(cが斜辺。a>bの場合もa<bの場合もある)。[ユークリッド、『数学難問BEST100』(PHP研究所刊)Q20参照]

m=x+y、n=yを代入し、a=x(x+2y)、b=2y(x+y)、c=(x+y)2+y2

直角をはさむ2辺の差が±1であればいいので、a-bにより、x2-2y2=±1

「xに1、2、3、…と順に代入し、yが整数になるかをチェックする」という素朴な方法で、以下の結果が得られます。

k x y a b c
1 1 1 3 4 5
2 3 2 21 20 29
3 7 5 119 120 169
4 17 12 697 696 985
5 41 29 4059 4060 5741
6 99 70 23661 23660 33461

したがって、答えは、23661-23660-33461の三角形です。

[補足]実はx2-2y2=±1のk番目の正の整数解(xk,yk)は、
\((1+\sqrt{2})^k=x_k+y_k\sqrt{2}\)で求めることができます。

A.3 \({\Large{\frac{1}{2}!}}\)

部分積分を行なって、

\(\large{\int_{0}^{1}x^n(1-x)^n dx=\frac{n}{n+1}\int_{0}^{1}x^{n+1}(1-x)^{n-1}dx}\)

さらに部分積分を繰り返して、

\(\large{=\frac{n}{n+1}\times\frac{n-1}{n+2}\times\cdots\times\frac{1}{n+n}\int_{0}^{1}x^{2n}dx}\)

\(\large{=\frac{n}{n+1}\times\frac{n-1}{n+2}\times\cdots\times\frac{1}{n+n}\times\frac{1}{2n+1}}\)

\(\large{=\frac{(n!)^2}{(2n+1)!}}\)

\(\large{n=\frac{1}{2}}\)を代入すると、左辺\(\large{\int_{0}^{1}\sqrt{x-x^2}dx}\)は、点\(\large{(\frac{1}{2},0)}\)に中心がある半径\(\large{\frac{1}{2}}\)の円の上半分の面積なので、

\(\large{\frac{\pi}{8}=\frac{(\frac{1}{2}!)^2}{2!}}\)

∴\(\large{\frac{1}{2}!=\frac{\sqrt{\pi}}{2}}\)