Step3. 「明日が楽しみ!」な状態を作る
「いよいよ最後のステップです。
1日を計画的に過ごせるようになったら、月間スケジュールシートをつかい長期的な予定を見通す練習も始めてみます。ここまでの3ステップを行なうことで、自然と自分のこれからの予定に意識を向け、事前に確認、把握することが大切なんだということが実感できるようになるでしょう」
子どもが『これさえ見れば、今後の予定が全部わかる』となったときがこども手帳のできあがりです。
こども手帳には自分の好きなものが集まっていて、予定の管理もできるようになり、親からも怒られなくなる。これはお母さんだけではなく、子どもにとっても良いことがたくさんある手帳術だなと感じました。
まずは実践! 「週間スケジュール」で夏休みを計画的に過ごそう
講座も後半に入りました。「週間スケジュール」で、実際に夏休みの計画を立ててみます。
Step1. スケジュールの記入
気になるのはなんといっても宿題です。計画的に宿題を片づけるには、まず「宿題をやれない時間=予定のある時間」をスケジュールシートに埋めていきます。
ラジオ体操や学校の水泳指導など、決まっている予定を埋めていき、宿題ができない時間を明らかにします。また、ごはんやお風呂に入る時間などの、生活のために必要な時間も書き入れます。生活のための時間も見える化しておかないと、「こんなに時間があるなら宿題できちゃうな」と錯覚してしまいます。正確な時間でなくてもかまわないので、必要な時間を確保するようにしましょう。
すべての予定を見える化しておけば、「○○があるのを忘れてた」ということがなくなります。また、「もしかしたら入るかも」という仮の予定も、はがせるフセンや消えるペンで必ずスケジュールにいれておくことを、星野さんは強調していました。
Step2. やることを把握
次に、夏休みの間にやるべき宿題の量を把握していきます。
学校からのプリントなどを確認しながら、宿題をフセンに書き出していきます。ここでのポイントは、計画を立てやすいように細かく分けて書くことだそう。たとえば、読書感想文の場合「図書館に本を借りに行く」「本を読む」「下書きをする」「清書をする」というように、細かい作業に分けて記入します。
そうすることで、手がかかる宿題も着実に進めることができるからです。
また、1つのフセンに書く内容は最大でも30分程度で終わらせられるものにします。子どもが集中できる量にすることで、どんどん計画が後ろ倒しに……ということを避けることができます。
Step3. 計画
予定と宿題を書き出したら、いよいよ計画を立てていきます!
空いている時間を確認しながら、一日にやるべきことを詰め込みすぎないように注意して子どもと一緒にフセンを貼っていきましょう。
そのとき、バインダーの左のページには「週間スケジュール」の予定表、右ページには予定表からはがしたフセンを貼りつける「フセンシート」をとじておくと便利です。その日、やり終わったフセンをはがして、フセンシートへ移動しておけば、何が終わって何が終わっていないのかが一目でわかります。
「フセンの使い方でポイントは?」
「手帳に書いてあっても、子どもはやることを忘れちゃいそうです」
「気分によって使わない日がありそうなんですが……」
お母さん達から出てくる手帳術についての疑問・質問に答えながら、星野さんは「お母さんは頑張りすぎなくていいんです。子どもに自分で考えて動ける方法を教えてあげれば、きっとあれこれ言わなくてもできるようになります。親子の毎日のコミュニケーションがもっと楽しくなりますよ」といったアドバイスを伝えていました。
イベントの最後にはお母さん達の口から、「今年は去年とは違う夏休みになりそうです」「子どもと相談しながら、自分だけの手帳を作ってみます!」というような、前向きな感想がたくさん出ていました。
イベント終了後、安心した表情で帰っていくお母さん達の顔が印象的でした。「今年の夏休みは親子で笑顔で過ごしたい!」と思っているお母さんはぜひ、星野さんの著書『自分で考える子になる「こども手帳術」』を参考にしながら、親子でこども手帳術に取り組んでみてはいかがでしょう。