レイアウトも、線をなくすことで「ノイズカット」
このような資料も、いろいろな企業で目にします。やたらとキーワードを囲み込むレイアウトですね。囲む必要のないものまでも、丸や四角で囲まれています。これもやはり、余分な囲みがないほうが、スッキリとします。
区切りをつけたい箇所は空白を使い、罫線はできるだけ使わないようにしましょう。コントラストのために囲むのではなく、レイアウトを工夫することがポイントです。
線や囲みを使うと、後でメンテナンスをするのが大変になってしまいます。後で直そうとした時に、「字数が多くなったから図形を大きくしなければ」ということになってしまうので、メンテナンスをできるだけやさしくできるようにする、これも1つの考え方です。
相手に「伝わる資料」をつくるために大切なのは、こういったほんの少しの差なのです。せっかく資料を頑張ってつくったのに、「なにを伝えたいの?」といわれてしまう人は、ぜひ「できる人の資料のつくり方」を意識してみてください。
-プロフィール-
清水久三子(しみずくみこ)
1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社後、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。2005年、当時の社長から「強いプロフェッショナルを育ててほしい」との命を受け、コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーを務める。延べ5,000人のコンサルタント、SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担い、ベストプラクティス(成功事例)として多くのメディアに取り上げられる。2013年に独立。2015年6月にダイバーシティ、ワーク・ライフバランスの実現支援を使命とするOrganize Consulting株式会社を設立。著書に、『プロの学び力』、『プロの課題設定力』、『プロの資料作成力』(以上、東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』(かんき出版)がある。