テレビや雑誌、新聞などで、女性を称賛するときに「凛とした」という表現に接したことはあるでしょう。竹のように、しなやかで筋もきちんと通っている――。おそらく、そうした女性を指しているのかもしれませんが、少々抽象的な表現ともいえます。

「凛とした女性」とは、具体的にはどういう女性のことを指すのか。なぜ、「凛とした女性」は称賛に値するのか。ベストセラー作家・中谷彰宏さんの新刊『凛とした女性がしている63のこと』の中から、そのヒントを探っていくことにします。

自分より「上の人」と比べる

以前の日本家屋は、「クーラーがないので夏場は窓を開けっぱなし」「道を歩いている人から、庭と縁側を通して居間が見える」など、家の中が、“筒抜け・丸見え”のようなところがありました。これは、「プライバシーを保てない」という不便さがある反面、「誰に見られているかわからないので、きちんと生活する」という姿勢にもつながっていました。

ところが、欧米から「子どもも個室をもつ」という文化が入ってから、世の中の流れと生活習慣が少しずつ変わり始めます。「だらしない人」が増えてしまったのです。

あなたは、職場の人と一緒にいるとき、「きちんとしなきゃ」という一線がキープできているでしょうか? たとえば、会社のデスクの上が私物やぬいぐるみでいっぱいの「私のお部屋」状態になっていたり、「あの人より私のほうがまし。だから、私は大丈夫」と、いつも下のレベルの人ばかりを比較対象にしていないでしょうか。

会社は最もパブリックなスペースです。そこで、自分の部屋にいる時と同じようなことをしていれば、あなたは女性版「オレ様」になってしまいます。「自分はまだまだできていない」と、上のレベルにいる素敵な人を見つめるのが「凛とした女性」です。