たとえば「内向的」とか「社交性が足りない」といったネガティブなセルフイメージを持っていたとしても、そうした資質も受け入れ、そのプラスの側面(「思慮深い」「礼儀正しい」など)も見ることによって自己否定的な感情から離れ、適切な自信を持つことができます。
2.相手を変えず見方を変える
人間関係においてうまくいかないとき、相手を変えようとするのではなく、自分の見方を変えます。見方を変えることが、感情のわだかまりを解消することに役立ちます。
3.徹底的に具体化する
彼らは、不安や恐怖に直面したときに、あいまいさを排除し具体化することで解決策を考え、すぐに行動に移すことができます。
様々な要因が絡んで不安な状態にあるときは、「気がかりリスト」に書き出すことをおすすめします。あいまいな状態が一番不安を感じます。書き出すことによって具体的に見えると、不安感の大部分はなくなるはずです。
4.様々な視点から眺める
彼らはまた、自分の立場からの視点を変え、過去の自分や未来の自分、相手や第三者、あるいは賢者が持つであろう視点など、多くの視点から思考することができます。
5.できることに集中する
変えられないこと、コントロールできないことに執着せずに、自分ができることに焦点を絞って行動できるのも彼らの特徴です。どうしてもできないことを「しょうがない」と受け入れることも大事なことです。
6.運命を引き受ける
過去や環境、最悪である状況、未来の不確実性を変えようとせず、不変のこととしてあるがままに受け入れる度量を持っています。
7.完璧主義をやめる
「白か黒か」「0か100か」という思考から抜け出して、複数の基準を持ち柔軟に考えることも大事な思考習慣です。どんなことにも、できたこと、できなかったことがあります。できなかったことは次に改善すべき点と考えて、徐々に成長することを目指せばいいのです。
8.プラスの側面を見る
たとえば重い病気を患ったとしても、病気から学べることもある。強引にでもプラスの光を見ることができるのも、結果を出し続ける人たちの特徴です。
9.今に集中して生きる
過去の後悔や未来の不安をいったん脇に置いて、今この一瞬に集中する。激しい嵐に遭ったとしてもそれはいつかは抜けるはずです。とにかく今、目の前のことに集中してベストを尽くす。これも一つの乗り越え方です。
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思考習慣を変えるには6ヵ月ぐらいの期間が必要ですし、なかには難しいものもあるでしょう。私も、「運命を引き受ける」とか「今に集中して生きる」などは苦手な思考習慣で、以前は2、3カ月先の講演テーマまであれこれ心配していました。しかし、こうした思考をするように意識的に取り組み始めてからは、少なくともスケジュール上着手しなければならないときまでは、その種の心配を忘れられるようになりました。
どうしてもネガティブな思考に陥ってしまう、という人は、自分そのものを変えようとせずに、思考習慣を変えることに取り組んでみてください。
(次回は9月20日火曜日に公開予定)
プロフィール
古川武士(ふるかわ たけし)
習慣化コンサルティング株式会社、代表取締役。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。3万人のビジネスパーソンの育成と500名の個人コンサルティングの現場から「習慣化」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を元に、個人向け習慣化専門学校、講座、企業への行動変容・習慣化の指導を行っている。
主な著書に、『30日で人生を変える「続ける」習慣』『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』『マンガでわかる 「続ける」習慣』『マンガでわかる「やめる」習慣』(以上、日本実業出版社)、『「早起き」の技術』(大和書房)などがあり、中国・韓国・台湾でも広く翻訳されている。