悪い習慣を「やめる」には、スイッチングが効果的
習慣を続けることに挑んだ舞に対して、『マンガでわかる「やめる」習慣』の主人公である中垣結衣はストレスによる食べ過ぎで太り、恋人から振られてしまった自分と決別するため、悪い習慣をやめることを決意します。変わりたいと強く願った結衣が幼なじみの舞に相談すると、行動を「スイッチング」することをすすめられて……。
そもそも、なぜ人は「やめたい」と思いながらも、悪い習慣を続けてしまうのでしょうか。それは人間の脳には、「いつも通り」と認識したものを維持しようとする働きがあるからです。古川氏はこれを「習慣引力の法則」とよんでいます。この法則は現状を維持し、生命の安全・安心・安定を守ろうとする、本来的に人間に備わっている重要なプログラムともいえます。
もう1つ、悪い習慣がやめられない理由があります。それは、食べることによってストレスを発散している結衣のように、その行為によって何らかの欲求が満たされるという心理的メリットがあるからです。
舞がすすめた「スイッチング」とは、その心理的メリットを得る代替行動を用意することで、「やめる」ことへの抵抗感を減らすものなのです。
スイッチングには、以下3つのステップがあります。
ステップ1. 心理的メリットを明確にする
次の3つの質問に答える形で考えて、悪い習慣の心理的メリットを書き出します。
【質問1】 いつ、その習慣行動をやってしまいますか
【質問2】 その習慣行動の直後どんな気持ちになりますか
【質問3】 その習慣行動で満たせる欲求はなんですか
ステップ2. スイッチング行動を考える
食べることで「リラックス」という心理的メリットを得ているなら、ヨガや入浴など他のリラックス方法に変えてみる。お酒を飲むことで「嫌なことを忘れられる」というメリットがあるなら、別の熱中できることを探すなど、いろいろな方法を試します。
ステップ3. スイッチング行動を検証する
行動をスイッチングすることで「気持ちいい」「楽しい」という感情が生まれるかどうか、判断します。
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舞から、悪い習慣を続けてしまう理由や、悪循環から抜け出すためのコツを聞いた結衣は、ダイエットを開始します。欲望・誘惑をコントロールするのは、一筋縄ではいきませんが、結衣はダメな自分に別れを告げられるでしょうか?
理論を知れば、「続ける」ことも「やめる」こともできる!
舞と結衣、2人の主人公は「習慣化メソッド」を元に、よい習慣を「続け」、悪い習慣を「やめる」ことで、挫折を体験しつつも新しい自分に生まれ変わります。
みなさんもぜひ、2人のストーリーを追いながら、共に新しい一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。