目的があいまいなまま議論し、ただ時間を浪費するだけの無駄な会議が多くの場所で行なわれている……と話し始めたのは、10年で延べ3万人の組織や人に関わり、「会議」で会社を変えてきた、小野ゆうこさん。先日、弊社より発売した著書『「結果を出す会議」に今すぐ変えるフレームワーク38』の中で、具体的に結果を出す会議に変えるための、フレームワークを紹介しています。

無駄な会議とはどういう会議なのか。また、どうすれば変えられるのか。
小野さんに、あらためて会議づくりのヒントをお聞きしました。(文責:日本実業出版社)

不毛な会議、実はみんな気づいている!?

ーーなぜ、会社から無駄な会議はなくならないのでしょうか?

そもそも「会議とは無駄なものである」という固定観念が強く根づいています。そのため、無駄な会議とは「なくすもの」ではなく「しのぐもの」という考え方になっているんです。

誰もが不毛に感じていたとしても、通過儀礼のように「この時間さえ、がまんすれば良い」「会議中に内職するとかして、何とか有効に使おう」など、いかにその時間をしのぐか、といった具合です。

だから、多くの人が「無駄な会議はどうにかしたいけど、しかたがない。しのぐしかない」という対応を続け、会議は以前と変わらず、粛々と執り行われているのではないでしょうか。

過去に会議を変えるために、ファシリテーションスキルを訓練したり、アイスブレイクを取り入れたり、会議手法を学んだりしてきた方もいらっしゃると思いますが、結果的に定着しなかったという負の経験から「会議は変わりようのないもの」とあきらめてしまっているのかもしれませんね。

本書でも触れましたが、無駄にも「生かせる無駄」と、「単に惰性の結果である無駄」の2種類があります。たとえ無駄に思える会議でも、議題と向き合う熱意や積極性があり、メンバー間で対話が行なわれていれば、生かすことができますが、惰性の場合は、無駄というより「不毛」なのです。そして、いくら「不毛な会議」であったとしても変えることができないのは、その時間さえしのげば、仕事は続くし、役割は果たせるし、「時間が取られる」こと以外は支障を実感できないことも理由のひとつでしょう。

心当たりある? 無駄会議チェックリスト!

ーー たとえば、「不毛」な会議ではどういったことが行なわれがちなのでしょう?

「不毛な会議」にありがちなことを挙げてみますね。
自分が参加している会議に当てはまるものが複数あれば、それは「不毛な会議」である可能性が高いです。

・シーンとした時間が多過ぎる
・集まることで安心している
・責任範囲がわからない
・結論が出た気になっている
・毎回、振り出しに戻る
・発言しない人がいる、発言しても否定される
・会議のゴールが不明確、なんとなく話している
・結局、メールで知らせてもよかったんじゃない?ということが多い
・会議の招集がむやみに多い
・誰も読まない議事録を会議後に作成している