国を相手にビジネスできる
亀山:なぜアフリカへ行くかっていうと、今後日本の人口が減るということは誰でもわかっているわけで、世界に出ざるを得ないという危機感があるからですね。でも本当に何も決めていなくて、ITやろうかとか水力発電やろうとか、いろいろと考えていることはあるけど。
金城:うちの弱いところはITなんです。アフリカにいるから当然と言えば当然なんですけど、ITを伸ばそうと漠然と考えていたところに亀山さんと出会って。DMMさんはIT企業としてのすごい実績と経験とノウハウ、いろんなものを持ってらっしゃる。
一方でぼくたちは、アフリカでそういったものを運営するとき、うまくやるノウハウを持っている。で、どんなことをやりたいかっていうと、たとえばこんな話があります。
みなさんは中国のファーウェイという会社を知っていますか。この会社はいろいろと記事にもなっているんで知っている方も多いと思うんですけど、彼らのアフリカでの事業を知っている人は少ないと思うんですね。
ファーウェイは4、5年前に、アフリカでポケットWi-Fiを売り出したんです。それもほとんどタダ同然の値段で。
そんなときに事業を統括する人物に会う機会があって、「そんな値段で大丈夫?」と聞いてみたんですよ。そうしたら、「狙っていることがあるから、3、4年この会社を注目しておいたほうがいいぞ」と言われました。
そのファーウェイが去年何をやったか。彼らは、タンザニアという国、政府と、ITインフラに関するすべての顧問契約を結んだんです。
ファーウェイがタンザニア全土に光ファイバーを引く見返りに、今後、ITインフラの整備など、ITに関わる国のすべての事業をファーウェイを通して行う、という契約です。
この契約で、タンザニア政府はITに関してはファーウェイの手のひらで踊らざるを得ない。すごいなタンザニアは、ファーウェイとこんな契約結んで、と思うけど、ほかにも3か国くらいこの種の契約を結んでるんです。
先ほど少し話が出た「B to G」ですね。こういうことを、アフリカではまだできるな、と、亀山さんとよく話してます。
亀山:中国の人は頭がいいからいろいろ戦略を練ってやってますね。たくさん来てるし。日本人は数が少ないね。中国人100人に対して1人くらいかな。
でも日本人は評判はいいです。きっと、先駆者たちが良い人達だったんでしょう。だから人間関係も作りやすいと思いました。結局、海外行っても人間関係、人脈ができてないと何もできないからね。
アフリカでもキューバでもミャンマーでも。チャンスは世界中にある
亀山:「DMM.Africa」は、アフリカで何をやるかわからないまま、スタッフにとにかく行ってこいという非常にざっくりしたやりかたで始めるわけだけど、いままでやってきたビジネスも正直言ってそういうところがあるんです。
インターネットもとりあえずやってみようということで始めたわけ。ビジョンみたいなものがもともとあったわけじゃなくて、やっていくなかで、じゃあ次はこのビジネスだという感じでやってきたんです。
ただ、18年前かな、インターネットっていう業界に入ったというのは結構大きくて、この業界にいなければ、こういうことにはならなかったことは間違いない。
田舎でレンタルビデオやCDを貸したり本を売っていたとき、社員は店員しかいなかったけど、インターネットを始めてエンジニアが入って、さらに新しい知識を得て、テクノロジーを覚えて、彼らが新しいビジネスを考えてくれる。その時はテクノロジーを覚えろ、だったけど、今度はアフリカを覚えろ、アフリカを理解しろ、ということです。
別にアフリカじゃなくてもいいんです。キューバでもいいしイランでもいいし、東南アジアでもいい。チャンスがあるところならどこでもね。ミャンマーでもいい。
まあ、アフリカ行くぞ、っていって集まって来るやつはどこへでも行くだろうと(笑)。
金城:本当にざっくりしてますね(笑)。
亀山:死ぬかもしれないよ、捕まるかもしれないよって脅しても入ってくるやつは使えるなと思う。さっきの金城さんの話じゃないけど、南アフリカなんか行ってんじゃないぞ、できるだけヤバイとこ行けって(笑)。そっちのほうがチャンスあるから。
ただもちろん、自分の命は自分で守らなきゃいけないから、選択は最終的に自分でしろと言っています。チャンスはどこにあるかって聞かれたら、そういうところにあるよって言い方してますね。
今日ここに来ている皆さんで、うちで一緒にやりたいとか、提携してビジネスしたいと思う人がいらっしゃったら、ぜひ声をかけてくださいね。
(終わり)