100万円渡して「とにかくアフリカへ行ってこい」
亀山:そういう状況であればいろんな新しいことができるなと。たとえば日本では、いまさらインフラをやるとか発電所作るとかできないけど、アフリカならできる。日本ではスキマを探してやらざるを得ないから。インターネットだとかIoTだとか、新しい、大手がまだやってないことをね。
でもアフリカ行くとなんでもできそうな雰囲気があって、だったらモノは試しにやってみようかなと。そんなことで、金城さんに弟子入りをしている(笑)。そういうわけです。
金城:ありがたいことに「『DMM.Africa』を立ち上げるぞ。生みの親はおれがやるから、育ての親は金城やってくれよ」って言われて、ぼくにとってはすごく光栄なことです。
亀山:おれももう行きたくないしね、アフリカ。やっぱり暑いよね(笑)。
それはともかく、若いやつにチャンスをあげたいなと思ってはいます。おれが行きたくないだけなんだけど(笑)。
会社の若手に「アフリカ行きたいやついないか」って手をあげさせたら、20人くらいいたのかな、そこから7人選んで。あとアフリカ人に4人入ってもらってるから、11人のチームで「DMM.Africa」を立ち上げました。
いまその半分がアフリカに行ってます。でも何をやるか決まってない(笑)。みんなに100万円ずつ渡して、しばらく帰ってくるなと(笑)、なんか見つけたら戻ってこいと言って送り出しました。
金城:ぼくも亀山さんと同じ考え方で、何をやるか決めないでアフリカに行くっていうのは、無謀なようでいて実は効率がいいやり方だと思うんです。ぼく自身も、何か大きい目標があってやってきたわけではなくて、その時にあるもの、その時できそうなものをひとつひとつやってきた結果がいまの状態なんですね。
やることが決まっているといいように思えますけど、逆に急にビジネスチャンスが来たときや何かが起きたときに方向修正しにくい、というのがあると思うんで、亀山さんのやり方がすごく面白いなと思うんです。
亀山:まあ、行く人はね、どんな状況になってもビビらないやつじゃないとちょっと難しいかな。金城さんはアフリカでビジネス始めて何年になるんだっけ?
金城:2003年からなんで13年ですね。
アフリカはあと5年以内がチャンス
亀山:この間金城さんから聞いた話では、あと5年くらいすると、アフリカから国外に留学している優秀な人たちが戻ってくるらしいんだよね。そうなると、そのときに外国人が行っても、あんまり偉い人に会えなくなるかもしれない。いまならまだ珍しいから、提携しようとか組んでみようかって話もあるけどね。
だから、これから5年の間なら、うちの若いやつがアフリカへ行っても何か見つけてくることができるんじゃないかと思ってるんです。この認識で正しいですか?
金城:その通りだと思います。ただ、あともうひとつ、2020年~2023年あたりが節目だと思っている理由があって、その頃が、経営者の世代交代の時期にあたるからなんです。
ぼくが起業した2003年前後っていうのは、アフリカで新興企業が生まれたゴールデンエイジでもあるんです。それらの企業が代替わりするのが、2020年頃というわけです。
世代交代してしまうと、前の世代と違って叩き上げの苦労を知らないから、ぼくたちの言葉や気持ちが響かないかもしれない。少なくとも響く層が薄くなる。そこはちょっと厳しいな、と思いますね。