ソニーで数々のビッグプロジェクトに関わったのちにグーグルに転身、日本法人の社長を務めた辻野晃一郎氏。現在はECやクラウドファンディング事業を行うベンチャー企業を経営しています。
その辻野氏の新著『リーダーになる勇気 迷わない、あきらめない自分をつくる』(以下同書)は、辻野氏が自身のキャリアの中で出会ったビジネスリーダーや、歴史上重要なリーダーたちの考え方、行動を引きながら、理想のリーダー像を語ったもの。
ここでは同書の第4章、「全員がリーダーを実現できていた会社」から、辻野氏が目の当りにしたグーグルのワークスタイルを紹介します。
人材──グーグルの採用基準
2006年にソニーを辞した辻野氏は、少しの浪人生活を経て自分の会社を立ち上げましたが、その矢先、ヘッドハント・エージェントからグーグルの役員を紹介されます。彼が語るグーグルのスピリッツに賛同した辻野氏は、「入社試験を受けてみないか」という誘いを承諾します。
当時のグーグルの採用基準は以下の4つでした。
1. 地頭の良さ
2. 過去の実績
3. リーダーシップ
4. グーグリネス
「グーグリネス」とは、「人と協力することを楽しむ性格、上下関係を意識しない態度、親しみやすさ」といったもので、特に重要視されたそうです。これらが足りない人材は「グーグルのカルチャーに合わない」と判断されました。つまり、どれだけ能力が高くても、一緒にいて楽しくない人や高飛車な人は、仲間とみなされないのです。
この「グーグリネス」だけでも、自由闊達な雰囲気を重視するカルチャーがうかがえますが、それを判定する入社試験は、朝から夕方まで、何名もの幹部が入れ替わり立ち替わり面接するという過酷なもの。「まさに、プロ野球のトライアウトのよう」だったそうです。
(同書101ページより)
自主性の尊重──20%ルール
グーグルには「20%ルール」と呼ばれるルールがあります。これは、仕事のうち20%は本業以外の仕事をしなさい、というもので、「Gメール」などはここから生まれた製品だとか。
社員の自主性が発揮され、成果をあげたエピソードを紹介しましょう。