「続ける」ための具体的なメソッド
新しく始めたことが“習慣”として定着するまでの期間は、行動習慣なのか思考習慣なのかなど性質によって変わりますが、ここでは行動レベル(定着目安:30日)を例に、習慣化に至るロードマップをみてみましょう。
もっとも挫折しやすい「反発期」、ペースが乱れはじめる「不安定期」、飽きてくる「倦怠期」がどれぐらい続くのかと、その期間の方針と対策が右図にまとめられています(※なお、古川氏はダイエットのような身体習慣が定着するには3か月程度必要としています。右図の期間をそれぞれ3倍してください)。
また、習慣として定着させるためには
- 1つに絞る
- 有効な1つの行動に絞り込む
- 結果より行動に集中する
の3原則を守る必要があります。それぞれ簡単に見ていきましょう。
1つに絞る(同時並行でいくつもやらない)
先にも書いたとおり、新たな行動を習慣づけようとすると心理的な抵抗が発生します。もし、2つのことを同時に始めようとした場合心理的な抵抗も2倍になるので、それだけ挫折しやすくなります。一つひとつ定着させていくのが、習慣化するための近道です。
有効な1つの行動に絞り込む(行動ルールを複雑にしない)
習慣を定着させるには、行動ルールもシンプルなものに限定しましょう。
たとえば英語の学習を例にとり、次のような行動ルールを決めたとします。
- 電車の中でリスニング
- 週2回英会話教室に通う
- スキマ時間に単語帳を読む
- 夜1時間英文法を勉強する
- 土日は5時間TOEICの勉強をする
仮に1つの習慣に絞ったとしても、これほど行動ルールが複雑だと覚えておくだけでも大変で、すべてを実行し続けることは困難です。
複雑なものは挫折しやすく、シンプルなものは続けやすい。これは真理ですから、ゴールから逆算して、もっとも有効な行動1つに決めて、習慣化していくことをお勧めします。
(『「続ける」習慣』p.69-70より、太字のみ編集)
結果より行動に集中する(結果にこだわらない)
「1か月で-5kgのつもりが2kgしか減ってなかった」など、思うように結果がでなかったときによくやってしまうのが負荷を増やすことです。
たとえば、「思ったより体重が減ってないから、これから土日は水しか飲まない」としたらどうでしょうか? 一時的には体重が減るかもしれませんが、まず長続きはしませんし、その先にはリバウンドが待っています。まずは定着させることを目指しましょう。
「やめる」ための具体的なメソッド
さて、ここまでは「続ける」というアプローチを解説してきました。しかし、ダイエットには食べ過ぎ・飲みすぎなど「カロリーを取りすぎる習慣をやめる」というアプローチもあります。近年流行りの「糖質制限ダイエット」も、ごはんやパンといった炭水化物の摂取をやめる・減らすものなので、アプローチとしてはこちらに近いと言えるでしょう。
では、「やめる」行為が定着するまでの流れ(3か月版)を見てみましょう。