たとえば、2014年4月に上場された日経平均の値動きの2倍に連動する「日経平均レバレッジ上場投信」(1570.T)は14年10月以降、ほぼ連日売買代金ランキング首位なのに対し、同時期に上場されたTOPIXの値動きの2倍に連動する「TOPIXブル2倍上場投信」(1568.T)は、1日平均の売買高が「日経平均レバレッジ上場投信」の売買高を二桁も下回る水準に甘んじています。
これは、それぞれ元となる指数の扱いやすさに一因があるものと考えられます。日経平均株価については「株価・除数・見なし額面」が分かれば算出可能です。後者2つの要素はそう頻繁に入れ替わるわけでもないので、株価を差し替えるだけで個人でも容易に取り扱うことができます。
しかし、TOPIXについては株価以外にも「基準時価総額」「指数算出用の採用株式数」「浮動株比率」など、正確性を期すための各種パラメータが必要であり、個人レベルでそれらを取り扱うことは容易ではありません。また、TOPIXは見方によっては「そう大きく変動しない=値動きが重くなりやすい」と捉えることもできます。
こうした理由により、わかりやすく値動きも軽い日経平均株価の方が指数としても取引対象としても広く用いられているのです。
ここまで「日経平均株価」「TOPIX」それぞれの解説をしてきました。しかし、こうした指数は市場動向を計るためだけのものではありません。
前述のとおりインデックス型投資信託やETFといった金融商品の形で投資することもできますし、個別株式銘柄を売買するための指標(シグナル)として使うこともできます。日経平均株価を自らの売買スタンスに組み入れることは、投資を行なうにあたり大きな効果を持ち合わせています。
「実際に投資を始めてみよう」と思う方は、日経平均株価を研究し、さまざまに活用することを考えてみるのもいいかもしれません。