この図の(1)は2008年、(2)は2013年の各1年間における日経平均株価と、過去1年来の高値もしくは安値を更新した銘柄数を組み合わせたものです。それぞれ上の折れ線グラフは日経平均株価を、下のグラフはピンクの線を0として、市場全体で高値/安値を更新した銘柄の数を示しています。
そのため、下のグラフが下に大きく突き出るほど安値を更新した銘柄の数が多い(≒利益が減ったなどの理由で売り手が増えて、株価が下がり続けている会社が多い)ことを意味し、上に突き出ているとその逆ということになります。
ここで、(1)2008年のグラフの右から4分の1くらいのところを拡大して見てみましょう。
だいたい2008年9月、ちょうど「リーマンショック」が発生したころです。日経平均株価のグラフは約12000円から8000円台へ大きく下げており、このときに安値を更新した銘柄も拡大前のグラフより2000社超に及ぶと読み取ることができます。
一方、(2)2013年のグラフをみると、高値を更新した銘柄が多いことがわかります。とりわけ5月から6月にかけては高値を更新した銘柄がおよそ800にのぼる日もあり、日経平均株価も勢いよく指数を上げていたことがわかります。
これらから日経平均株価は「抜粋した銘柄の平均ではあるが、市場全体の動向を推し量るには十分」ということがわかるでしょう。
ただし、実際には株式分割や225銘柄の対象の入れ替えなどの影響を避けるため、「対象銘柄の株価を足し合わせて225で割った数」ではなく、「除数」と「見なし額面」という二つの要素によって調整された平均の値が日経平均株価として用いられています。
TOPIXって何?
このように、日経平均株価は株式市場全体の概況を知るには十分なものですが、万能というわけでもありません。その理由として、以下のものが挙げられます。