いま、中古マンション市場に熱い視線が注がれています。
ベンチャー企業が始めた、インターネットで消費者同士がマンションを売買できるサービスも広がりを見せ、話題になっています(日本経済新聞 2015年10月31日朝刊より)。
中古マンションを選ぶメリットとは? そして購入時にとるべき対策とは?
ここでは、『中古マンションの本当に賢い買い方・選び方』(針山昌幸著、以下同書)から、そのポイントを紹介します。
一般的に、ほとんどの日本人は、住宅を購入する場合圧倒的に新築物件を選びます。アメリカやヨーロッパでは中古住宅を買う人が8割以上なのに対し、日本ではまだ2割程度に過ぎません。
しかし現在、新築マンションは、資材・人件費の高騰や、用地取得時のコストアップによって非常に割高感が出てきています。また最近明るみに出た新築高級マンションの傾斜問題も、消費者が中古住宅へ目を向ける原因の1つになっているかもしれません。
さらに、若い世代を中心に、画一的なデザインが多い新築マンションを買うよりも、「割安な中古マンションを買って好きなようにリフォームして、自分たちらしいライフスタイルを手に入れたい」と考える層が増え、今後も市場の注目度は高まると考えていいでしょう。
買うべきは新築か、中古か?
しかし実際にマンション購入を検討し始めると、中古の場合はチェックポイントも多そうだし、何よりも古さがやはり気になる。少し無理をすれば、大手デベロッパーの新築に手が届かなくもないしなあ、と迷ってしまいます。家は人生で一番高価な買い物、迷って当然です。
中古を取るか新築を取るか、それは人それぞれです。しかし、欠陥マンションを購入して後悔しないためには、中古も新築もチェックすべきポイントがあるのは同じです。
中古マンションには、自分が住んでみたい憧れのエリアで、駅に近く利便性の高いマンションを手頃な値段で買える可能性が、新築物件よりは高い、ということは言えるでしょう。
新築マンションの資産価値はすぐに2割ダウンする?
新築マンションだからといって必ずしも安心できないことは、様々な事例を見れば明白でしょう。そもそもマンションは完成してしまえば、購入者が確認できる部分は限られます。
一方中古マンションの場合、すでに完成してから時間が経っているため、その耐久性は実際に確認できます。
例えば築15年ぐらいのマンションであれば、「床に傾斜がないか」「ドアなどの建具に不具合が出ていないか」などを確認すれば、構造的に安心できるマンションだと言えるでしょう。
もし構造的な欠陥があれば、すでに問題が現れ出ている可能性が高いからです。
(同書29ページ)
また、最初に触れたように新築志向の強い私たち日本人ですが、新築物件を購入して買い主が住み始めた瞬間に「中古住宅」になり、価値が2割下がってしまうことを意識している人はあまりいません。