この制度は、家の所有者が50歳以上であることが条件だが、一定の条件をクリアすればJTIが一定期間家を借り上げてくれる。借り上げであるため、直接に入居者とやりとりする必要はなく煩わしさはない。

また、家賃保証があるため空室でも家賃が支払われるというメリットがある。この原資は政府からの5億円の基金により運営されているため安心感は高い。

JTIと賃借人との賃貸借契約は3年の定期借家契約(更新可)になるので、万一、売却したくなった場合は契約期間満了とともに確実に家を返却してもらえるので安心だ。

(p.233-234より)

家を売るときの注意点

最後に、相続した家を売るときの注意点を見てみましょう。浦田氏は「売却時の譲渡所得(もしくは譲渡損)の計算が必要」になるので、元々いくらで買ったのかを調べておくこと」としたうえで、次のように解説しています。

取得費とは、土地や建物のもともとの値段や、取得した際に支払った不動産取得税や登記に要した費用や仲介手数料の合計だ。一方、譲渡費用は売却の際に要した仲介手数料や収入印紙代などになる。

このとき、購入当時の領収書等が見当たらず、取得費が不明な場合はどうしたらいいのだろうか? この場合は「売却価格×5%」を取得費とすることができる。とはいえ、不動産の売買にともなう契約書や領収書の類いはしっかり保管しておくことが大切だ。

また、相続に際して相続税を納めていた場合は、相続税の申告後3年以内の売却であれば、相続した土地や建物に対する相続税額を取得費に加算することができるので覚えておこう。

ちなみに、譲渡所得に対する税金は、先代が購入してから5年未満の場合は約40%、5年超の場合は約20%となっているので、利益が出るなら5年以上経過してから売却したほうがよいだろう。

(p.235-236より)


いかがでしたでしょうか。

以前は「相続=金持ちだけが考えること」というのが定説でしたが、2015年1月に施行された「改正相続税・贈与税」の影響により、今後は一般家庭でも相続について考えておく必要がでてきました。文中でも書きましたが、一般家庭での相続の大半は「親から引き継いだ土地・家屋」に関するものになるでしょう。

そこで損をしないためには、日ごろからの情報収集がモノを言う時代になっていくはずです。本記事を参考に、是非あなたの家の相続についても考えてみてください。