「まだおしゃべりしないんだけど大丈夫かしら?」「何で、○○ちゃんみたいに良い子でいられないの?」

子育てをしていると、毎日が悩みの連続です。そんなとき、「モンテッソーリ」という知る人ぞ知る教育法が、子育て中の親達を救っているとか。

『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』の著者であり、モンテッソーリ教育の園で園長も務め、現在7ヶ月のお子さんのママでもある神成美輝さんからお話をうかがいました。(文責:日本実業出版社)

 モンテッソーリとは……

日本実業出版社(以下、日実):今回の書籍では、ご自身がモンテッソーリ教育をされている園で働かれていたということで、タイトルにもあるようにモンテッソーリ教育を主題にされていますね。

そこで、モンテッソーリ教育というのはどういったものなのか、あらためてお聞きしたいと思います。そもそも、モンテッソーリ教育を行なっている園と一般的な幼稚園や保育園ではどういった違いがあるのでしょう?

神成美輝氏(以下、神成):まず、モンテッソーリ教育とは20世紀初頭に、イタリアでマリア・モンテッソーリという女性が確立した教育法です。モンテッソーリ教育を一言でいうと「自主性を育むという教育法」。先生が主体ではなく、子どもが主体の教育です。

先生が「○○しなさい」と言ったことを子どもがそのままやるというのが一般的な園ですが、モンテッソーリ教育では整えられた環境の中で好きなことを自分で選び、自主性を育んでいきます。まず、最初のスタンスが違いますよね。

日実:一般的な幼稚園や保育園では先生が主体というのは、大人が正しいことを知っていて、子どもを正しい方向に導いてあげるという考え方によるものですよね。たしかに、子どもの自主性を重んじるというのは素晴らしいですが、子どもはちゃんと正しい道を選べるのかなと不安に感じる大人が多いと思うのですが……。

神成:そうですよね。でも見ている限り、子ども達は自分でより良い方法を考え、自主的に行動できます。

例えば、どこかに行きたいと思ったときに「どうやって行けば良いんだろう?」ということを自分で考える力をつけるのがモンテッソーリ教育です。一般的には、子どもがどこかに行きたいとなったら「連れていって」と、親に言うと思うんですよ。

しかし、モンテッソーリの園では、子どもが自分で地図を見て「ここに行くには電車でどう行けば良いのか」を調べようとする力を育てていきます。そういうところが、将来、壁にぶちあたったときにどうするのか、回避しないで真っ向から向かっていける力になっていくんだと思うんです。

日実:神成さんは最初に、モンテッソーリ教育とは関係ない園で働かれていたとのことですが、やっぱり違いはありましたか?

神成:違いますね。ガヤガヤしていて、先生が「静かにしなさい!」と言って、シーンとなるのが一般的な園。モンテッソーリ教育の園では子ども達が好きなことを集中してできる環境があるので、最初に入った瞬間に、何でこんなに静かなんだろうと驚きました。先生が静かにしなさいとか、それは駄目よと叱る必要がないんです。

日実:へー! 何だかその光景を想像すると不思議です。

神成:そうですね(笑)。しかも、子ども達が5分で飽きるといったこともなく、やりたいから20分でも30分でもやり続けるんです。だから集中力がつきますよね。

日実:それは本の中にも書かれていますが、先生がそうできる環境をつくっているというのが大きいですね。子どもが集中できるものや環境を用意してあげているから、その中で子どもの自主性が育っていくことができるんですね。

神成:あと、親はどうしても「何歳になったらこれができなきゃいけない」などと押しつけがましくやってしまうんですが、モンテッソーリ教育ではじっくり待つんですよ。絶対できるってわかっているから。

パパやママはそれを待てなくって、まだかなって焦っちゃうと思うんですが、そこはグッと我慢して焦らない方が良いです。

1・2・3歳の子どもとの接し方

日実:焦らず待つということが大切なんですね。接し方として、1歳の子だったらこう接すればいいとか、2歳だったら……などがありましたらお聞かせください。