社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士(3福祉士)は、「人間の幸福」の追求を目指し、福祉サービスを必要とする人々に対し、自立生活の維持・支援を行う福祉専門職です。それぞれの特徴を端的にあらわすと以下のようになります。
●社会福祉士:福祉の知識や技術をもって相談援助を行う専門職
●介護福祉士:介護・生活に必要な知識と技術をもった専門職
●精神保健福祉士:精神的な障害がある人の生活や社会復帰のための相談援助の専門職
福祉ニーズの増大・多様化にともなって、国家資格である3福祉士の活躍には、大きな期待が寄せられています。
ここでは3福祉士の、それぞれの仕事の「意義」や「魅力」を紹介しましょう。
【本稿は『これから目指す人・働く人のための 3福祉士の仕事がわかる本』(赤羽克子編著)より一部転載しています】
社会福祉士の魅力
「福祉」をキーワードに、社会に貢献する
社会福祉士とは職業の名称ではなく、ソーシャルワーカーの国家資格の名称のことです。ソーシャルワーカーは「福祉」という視点で社会のさまざまな現象をとらえ、個人から社会全般にいたるまでの広範囲の課題を解決することを役割としています。
専門職としての自立・自律性
困っている人たちを助けるために、私たちはどのような手段を使うでしょうか。医者であれば医学の知識や技術によって治療し、弁護士であれば法律知識などを活用して法廷で被告人を弁護します。
これらと同じように、社会福祉士は社会福祉およびそれに関連する専門知識とソーシャルワークの専門技術を駆使して、相談者(「クライエント」といいます)を差別や偏見から守り、その人が望む生活を送れるように支援していきます。
ソーシャルワーカーである社会福祉士の行動は、専門職としての独自の価値・倫理観に基づいています。ソーシャルワーカーというアイデンティティをもった自立的・自律的な専門職であることは、社会福祉士の魅力です。
給料以外の報酬がある
職業としての社会福祉士(ソーシャルワーカー)を選ぶのであれば、それによって生活費を得るのは当然のことです。金銭的な報酬を得られるからこそ、職業として成立するのです。
しかし、社会福祉士の報酬は、その業務によって得られる金銭的なものでだけはありません。仕事上、福祉や保健医療などのさまざまな専門職と連携するため、その業務を通じて構築されたネットワークはかけがえのない財産となります。
また、いろいろな相談者の人生に触れ、それに寄り添って支援していくことは、援助者自身の人間的な成長にもつながります。金銭的な報酬はもちろんですが、それ以外にも大切なものを得ることのできる職業であるといえます。
介護福祉士の魅力
介護はお世話をすること?
介護というと、「介護を必要とする人に対して、日常生活を送るうえで身の回りの手助け、お世話をすることだ」イメージする人も多いかと思います。そのようなイメージは、ある意味では合っています。というのも、利用者の家族が行う介護は、この「お世話」の意味合いが強いと考えられるからです。
それでは、家族が行う介護と、介護福祉士が行う介護の違いは何でしょうか。