「営業」というと、まだまだ男性中心の世界です。売り込む商品にもよりますが、体育会的な根性論や営業手法が幅をきかせているのは事実。
そんな中、女性の営業は「男の人に負けないぐらい頑張らなきゃ」と無理をしたり、「女性だから、中々うまくいかないんだ……」とあきらめて落ち込んだりしがちです。しかし、決して男女の能力に差があるわけではなく、女性には女性ならではの強み、感性があるのです。
「女性ならでは」の、営業に有利な6つの感性を『売れる女性の営業力』(太田彩子著)から見ていきましょう。

①共感性


「共感」とは相手と感情・考えを同じにすることです。

営業をするからには、自社の商品を売り込まなければいけません。そのため、お客様と話す中で「そうですね。しかし、わが社の商品は……」と自分の利となる方向に話をもっていきがちです。しかし、お客様が望んでいるのは、自分に共感し、同じ立場に立って物事を考えてほしいということです。

お客様が「この人の話を聞こう」と思うのは、自分のことをわかってくれていると感じた時なのです。そのためには、相手のことを知る努力が必要です。

相手の立場や気持ちに共感するには、相手の状況を把握する「事前準備」(下調べ)が必要になってきます。相手のことを知り尽くしたうえで、相手を主体とする言動をするからこそ、「独りよがりの営業」にならないのです。(16ページ)

②協調性


「みんなで頑張る」「あなたに寄り添い、目標達成を目指します」といったような協調性は、女性の得意とするものではないでしょうか。
協調性は営業において、「顧客思考」とつながります。顧客思考とは、お客様のことを第一に考え、行動し、何が相手にとってメリットがあり、喜んでもらえるのかを考えることです。

そして、相手に「味方意識」をもってもらうことで、お客様を安心させ、「この営業には、うちの問題点を話してみようかな」と思ってもらえます。

「御社と私とで、一緒に売上低迷の課題に取り組んでいきましょう」と、あくまでも一緒にやりたいんですという気持ちを伝え、相手にもそうした意識をもってもらうようにしましょう。(18・19ページ)

③親和性


「親和性」はお客様と仲良くなり、強い関係性を築くことができる力だと、太田氏は述べています。

お客様に対して、最初からオープンな状態で挑むのは緊張してしまうかもしれません。
「私から気安くはなしかけてしまってもいいだろうか?」「変なことを言ってしまったらどうしよう…」と足踏みをしてしまうこともあるでしょう。しかし、相手との距離感を間違えてしまっても、よほどの失敗をしなければ、すこし気まずくなる程度です。

「別に自分から近づいて変に思われても、仕事なんだから気にしない」、そう思って自らお客様に自分から歩み寄っていけば、あなたの世界は広がります。