■収集対象者への周知と収集するときの注意点

マイナンバーを通知するカード(通知カード)は、2015年10月以降、住民票の住所地に簡易書留で郵送される予定です。

ここで注意したいのは、現在住んでいるところと住民票の住所が異なる場合、通知カードが届かないという問題が発生してしまうことです。企業は従業員に対し、居住地に住民票を移動させていない場合は速やかに移動させる旨のアナウンスが必要となります。

マイナンバー制度についてよくわかっていない従業員は、ダイレクトメールなどと一緒に通知カードを破棄してしまう可能性も否定できませんから、通知カードが到着した際は、大切に保管する旨も併せて通知しておきましょう。

また、マイナンバーはきわめて秘匿性の高い個人情報ですから、企業が従業員等からマイナンバーを収集するときは、企業がマイナンバーを利用する目的を可能な限り明示したうえで収集しなくてはなりません。

利用目的の通知方法は、通常、以下のいずれかで対応することになります。

(1)社内LANにおける通知
(2)利用目的を記載した書類の提示
(3)就業規則への明記

より具体的には下表を参照のうえ、対応するとよいでしょう。

図表2 利用目的の公表・通知の例

『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本P44より』
『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』P44より


マイナンバーの回収にあたっては、収集対象者への社内アナウンスから、マイナンバーの利用目的の通知に関する就業規則の見直し、マイナンバー回収時における写真付きの身分証明書の提示による本人確認など、煩雑な事務手続きが発生します。

社内アナウンスの文面や本人確認の方法などの詳細は、『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』をご参照ください。

第3回:方針の明確化と規定整備につづく)