2番目は金銭貸借の9つの記載事項をすべて盛り込んだものです。
3番目はやや詳しく書いてあります。2番目との大きな違いは「損害遅延金」に関する記述があることと、(4)の段落で、債務の支払いに関する補足事項が記載されています。この部分を詳しく書くと、以下のようになります。
(I)の「期限の利益」というのは、借主が借用した金額を、定められた日時までの間は返済しないで自由に使える利益のことです。したがって借主が期限の利益を失うと、貸主は元本の返済を請求でき、それ以後は利息ではなくて、遅延損害金として定めた金額の支払いを請求できることになります。
これは借主が約束を履行しなかったりすると大変不利になる取り決めで、その場合を1から3で定めて記載したものです。この(I)の記載がない場合には、利息の支払いが(D)の時期に履行されなくても、貸主は(E)の返済期限が来ない限り、元金の返済を請求することができないことになります。
(『新版 他人に聞けない文書の書き方』P.194より)
「念書」の書き方
念書とは「後日のための証拠として、念のために書き記す書面」のことです。念書の使用場面はお金の貸し借りだけとは限らず、たとえば「業務上知り得た秘密をもらしません」など、誓約書のような使い方をする場合もあります。また、念書は法律に関係する証拠書類となることも少なくありません。