Q. では、どう書けばいいのか
A. 「書式自由」とする企業がほとんどだが、あまりにも個性的なのは逆に損。
一般的には大きく2つのパターンが使われている。
職務経歴書は、あくまでその人だけがもつ強みをアピールするものです。人がもつ経験というのは千差万別ですので、「アピールしやすいのであればどのような書式でも構わない」とする企業が大半です。
でも、ここで一点落とし穴が。
「アピールしやすいのであればどのような書式でも構わない」とは言うものの、実際に読むのは人事担当者です。いくら「自分の経験を最大限アピールできる個性的なフォーマット」で送っても、担当者が「読みづらい」「ふざけてる」「とてもじゃないが、上長に渡せない」と思ったら、その時点でアウトです。
そもそも職務経歴書とは、履歴書とあわせて「採用に関わる書類」として扱われる公式文書です。強調するためにあまりに派手な色使いにしたり、目立たせるためだけの記号が散りばめられている書類を提出すると、今の日本社会においては「ちょっと常識から外れる人だな」と判断されるリスクが高いだけと考えられます。
ベンチャーやスタートアップ企業といった、企業としての歴史が浅く柔軟な考え方をもっている会社であれば、プレゼン資料のような作りの職務経歴書もありかもしれませんが、一般的には文書のレイアウトを工夫してアピールするのに留めるのが無難でしょう。
では、読みやすいレイアウトとはどのようなものがあるのか。大別すると以下の2通りがあり、それぞれのメリット・デメリットには次のようなものがあります。
●自分の経験を「時系列順に書く」
[メリット]
人事側からすると、履歴書と対照して見ることができるので非常に読みやすくて好印象。
[デメリット]
・異動や転勤等が多いと記述の重複が多くなる。
・特にアピールしたい経験など、内容に対する強弱をつけづらい。
●自分の経験を「経験した内容別に書く」
[メリット]
どのような経験・能力を持つのかがわかりやすい。職種別採用へ応募する時には効果的
[デメリット]
・経験に対する経緯や時期がわかりづらいため、別途時系列の「職歴年表」を書く必要がある。
Q. 通り一遍の情報はいいから、書類選考をパスするための
「ひと工夫」が知りたい!
A. サンプルをコピペして社名や日付を修正する程度ではダメ。
「アレンジのしどころ」をどう見極めるかが重要!
実際、「職務経歴書 書き方」などで検索すると、実に多くのサンプルが出てきます。転職支援サイトにも「職種別の職務経歴書テンプレ」などが掲載されています。そのため、「適当なテンプレ拾ってきて、社名と日付と名前のとこを変えて応募すればいいじゃない」と思う人もいるでしょう。
ですが、あれはあくまでもサンプルで書かれたものです。実際、「こう書くといいですよ」という説明はあっても、「サンプルのこの部分をアレンジして使うといいですよ」といった“使い方”を記載しているサイトはほぼないでしょう。
先述したとおり、人の経歴は千差万別です。例として「未経験からのレストラン店長候補」という求人に応募するとき、20代半ばの“第二新卒”として応募するときの書き方と、50代半ばからの“やりなおし転職”で応募する時の書き方では、当然アレンジを要する箇所は違ってきます。
また、企業の人事担当者も人間です。内容がまったく整理されておらず、概要が頭に入ってこないような経歴書を理解できるまで何回も読み返したりはしません。経歴が多岐にわたり整理しずらい場合は、
- 職務経歴書の冒頭にサマリー(要約)を入れておく
- 箇条書きを駆使して、端的に書く
- 応募職種に関連の深い経歴のみ詳しく書いて、その他の部分は触れる程度にする
などの工夫が必要です。
職務経歴書は、「“自分”という商品」を売り込むための補助文書と言えます。本記事を参考に自分の経歴の要点をスマートにアピールし、転職活動を成功させてください。