「35歳転職限界説」――転職市場の通説として語られていたのも今は昔。今では「リーダー/リーダー候補となりうる即戦力」として、35~40歳前後のミドル層も活発に転職する時代になりました(参考:転職大ブーム!崩れる「35歳転職限界説」-東洋経済オンライン)

そこで求められるのが「職務経歴書」。企業側は「35歳ともなれば、1つ2つは自分の仕事の成果を語れるはず」という目で面接に臨んできます。それに対する明確な答えなくして、35歳以上の転職は成り立ちません。

とはいえ、実際に書こうとしても「一体どう書けばいいの?」「上手な書き方がわからない」など、悩みも多いもの。履歴書と違って「職務経歴書は書式自由」としている企業が多いことや、転職サイトにあるサンプルを見ても、あまりに汎用的な内容すぎて今ひとつ参考にしづらい部分があったりします。

では、「人事に『ひとまず会ってみるか』と思わせる職務経歴書作成」の基礎事項にはどのようなものがあるのでしょうか。職務経歴書作成の「初歩中の初歩」について、Q&A形式でお届けします。

Q. そもそも「職務経歴書」とは何か


A. 書式がある程度固まっている履歴書だけでは不足しがちな、応募者のもつ
  経験・能力に関する情報をより深く知るためのものです。

企業が採用活動を実施する際、いきなり面接という企業はそう多くありません。まずは、履歴書と職務経歴書を送ってもらい、そこから書類選考を行なう企業がほとんどです。仮にいきなり面接をする場合でも、履歴書と職務経歴書のセットを持参するように言われます。

企業は「応募者のもつ強みを、募集している部署や事業の補強に使えるか」という視点で中途採用を行なっています。つまり、企業が一番知りたいのは「応募者が持つ経験や能力」なのです。

ここで、現在市販されている履歴書を見てみましょう。「転職者用」と銘打ったものや自己紹介・PR欄が充実したものなど、形式は様々ありますが、いずれも自分の経験や能力を書くスペースは用紙の右半分(もしくは2ページ目)に小さく割かれているのみです。

これでは、経験や能力を知るには事足りません(逆に、そのスペースで十分に書ききれるほどの経験・能力しかない場合は、残念ながら採用されるのは難しいと言えます)。

だから、経験や能力をより深く知るために職務経歴書の提出を求めるのです。そのような性質上、履歴書の繰り返し程度の記載では意味がありません。当然ながら、自分の経験や能力を見つめ返し、そこからアピールする材料を掘り下げて書く必要があります。