事業コンセプトの決め方…自分らしさの再認識
ほとんどの場合、その事業が生み出す商品やサービスは、世界で唯一のものではないでしょう。たくさんの類似品や代替品との競争は避けられません。そこで、次の質問です。
“質問3 なぜ、あなたから買いたくなるのか”
顧客が類似品の中から特定の商品を選ぶ理由はさまざまですが、値段や品質以外の「好き」や「かっこいい」「かわいい」といった反応は、結局のところ感性の問題といえます。顧客は、商品そのものが持つ感性、もっといえば商品をつくる人の感性に共感して、それを購入するのではないしょうか。
そのように考えると、起業家は自分らしい感性(コアエッセンス)をはっきりと認識し、それを商品やサービスに表現しなければ、顧客の共感は得られない、ということができます。
ターゲットがあなたの商品のどこに好感を持つのか、を検討します。それが自社のコアエッセンスなのです。(28ページより)
事業コンセプトの決め方…あなたの会社の「強み」は何か
“質問4 なぜあなたは喜ばせることができるのか”
次に、上の質問に答えることで、なぜ自社が、顧客にメリットを与えることができるのかを明確にします。類似の商品やサービスを扱う他社と比べてどこが優れているのかを伝えなければ、顧客は安心して商品を買うことができないからです。
他社と比べて優れた点、それが「強み」(コアコンピタンス)です。
強みと言うとドラッカー博士の「強みの上に築け(build on your own strength)という言葉が有名です。事業を成功させるためには「自分の強みを見つけてそこに経営資源を集中させるべき」という意味です。これを事業コンセプトの作成に応用して、あなたの会社のコアコンピタンス(自社の強み)を考えていきます。(30ページより)
まとめ
さて、ここまでの質問は、簡潔にいうと、自社の事業についての次の4つのエッセンスを確認するためのものでした。
①ミッション
②顧客(ターゲット)のメリット
③コアエッセンス
④コアコンピタンス
この4つの質問について、考えをまとめることができたでしょうか?できたのであれば、あなたの事業コンセプトはかなり固まっているといえるでしょう。あとは、それをわかりやすく簡潔な(このページで1~2行程度)メッセージにするだけです。
たとえば、原さんの著書では、“大豆原料を使った健康的なマヨネーズ「ソイ・マヨ」を発売するベジタブル・マヨネーズ社”という架空の会社の事業コンセプトを、以下のようにまとめています。
●アレルギーを持つ子供や妊婦さんも安心の国産有機大豆を使ったマヨネーズで、美味しい健康づくりをサポートします。(32ページより)
さて、あなたの事業のコンセプトは明確になりましたか?ただ、「事業計画書」づくりはまだほんの入り口です。周囲の人々を熱くし、共感させ、あなたのミッションを実現する計画書を、『51の質問に答えるだけですぐできる 事業計画書のつくり方』を参考につくってみてはいかがでしょうか。