人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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選挙立候補者の名字

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2007/04/09 13:09

4月8日に統一地方選挙の第一弾として、知事・都道府県議・市長・政令指定都市の市議などの選挙があり、東京では石原慎太郎、神奈川では松沢成文など、首長選では現職が強みを見せた。続いて、22日には市町村議や町村長を対象とした第二弾の選挙がある。

こうした地方議員や首長は、大都市とその周辺部を除けば、どの選挙区でも立候補するのは地元で生まれ育った人がほとんど。従って、立候補者一覧には、いかにも、という名字がならんでいるところが多い。さすがに神奈川や大阪では独特の名字ばかり、というわけではないが、地方に行けばいくほど特徴的だ。

さて、今回は地方選に合わせて、参院議員の補欠選挙も同時に始まった。選挙があるのは福島と沖縄の2ヶ所だが、沖縄の候補者方は、いかにも沖縄を髣髴とさせる名字の人達だ。
野党系の擁立した候補者の名字は「狩俣」。この名字は沖縄独特で、しかも宮古島に固まっている。実際、候補者本人も宮古島の出身のようだ。

一方、与党系の候補の名字は「島尻」。こちらも沖縄の名字で、ルーツは沖縄本島南部の島尻郡。しかし、現在では本島にはさほど多くなく、宮古島や石垣島に多い。候補者本人は宮城県の出身だが、夫が沖縄本島の人。ちなみに、島尻姓は島のない岐阜県飛騨地方にも見られるが、ルーツは不明。

さらにもう一人の候補者がおり、名字は「金城」。これは沖縄を代表する名字で、沖縄全体では「比嘉」に次いで2番目に多いもの。ここでは、「佐藤」や「鈴木」という名字の人が立候補すると、目立つに違いない。
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