さて、イロイロ大統領、正式な名前は、“Ratu Josefa Iloilovatu Uluivuda”である。このうち、「Ratu」はフィジー系の族長クラスの称号で、残りが「第一名前,第二名前,姓」という順になっている。フィジー人は「姓」の概念が希薄な国である。このこと自体は特に珍しいことではなく、アジアの非中国文化圏では、姓を使用しない国が多かった。フィジーの大統領も、「Uluivuda」という姓は法律的な時を除いては使用せず、しかも第二名前は省略形にすることが多い。その結果、自らも「ラツ・ジョセファ・イロイロ」と名乗るため、“イロイロ”が名字と誤解されることが多い(記事を書いている記者も理解しているかどうか)。
フィジーを二分するインド系とフィジー系住民、日本人にはその区別はつかないが、フィジー人にとっては、名前をみただけで区別がつくはずだ。