日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2006/03/20 09:46
15日、全国のトップをきって高知市にある高知城三の丸のソメイヨシノが開花した。高知は全国で最も桜の開花が早い地域だが、それにしても3月15日というのは異常に早い。
今年の高知は、市内で5cmも雪が積もるなど記録的な厳冬だったが、春のおとずれは早かった。桜の開花は平年より8日早く、昨年と比べると実に16日も早い。統計を取り始めた1954年以降では、史上2番目の早さだという。
ところで、ソメイヨシノの由来をご存じだろうか。ソメイヨシノとは、染井村で品種改良されたヨシノザクラという意味。この染井村とは、実は東京都内にあるのだ。染井村があったのはJR巣鴨駅の近く。山手線外側の駒込中学校や本郷高校があるあたり。正確には
駒込村の一部で、今の地名でも豊島区駒込に含まれている。近くの染井霊園が染井村の地名を残しており、ここは、二葉亭四迷や高村光太郎らの墓があることで有名。江戸時代、このあたりは江戸ではなく、武蔵国豊島郡に属していた。
江戸という大消費地を抱えた農村地域のため、米ではなく商品作物を栽培する農家が中心だった。巣鴨村は菊の栽培が盛んで、染井村には庭木や盆栽を栽培する植木屋が集まっていたことで知られていた。
ソメイヨシノは、この染井村にいた職人が江戸彼岸と大島桜を交配して新たにつくったもので、できたのは幕末の頃らしい。明治になってまたたく間に全国に広がり、ソメイヨシノという名前がつけられたのは明治も後半のことだという。なんとなく、日本人は万葉の時代からソメイヨシノで花見をしていたような印象があるが、その歴史はわずか150年ほどでしかない。
東京も、ここ数日暖かい日が続いており、3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えそうだ。