日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2014/09/08 11:35
伊勢神宮の外宮と内宮は2kmほど離れており、専用のバス便が出ている。
内宮に祀られているのは天皇家の祖天照大御神。時間がなく外宮と内宮の両方を参拝できない場合は内宮だけを参拝する。従って、この日も外宮は比較的空いていたにもかかわらず、内宮は賑わっていた。
さて、内宮の神官をつとめるのは荒木田氏である。外宮の度会氏が在地の豪族の末裔だったのに対し、荒木田氏は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が日向に降臨(天孫降臨)した際に従っていた天児屋根命(あめのこやねのみこと)の末裔である。天児屋根命の子孫である天見通命は倭姫命とともに聖地を求めて巡幸し、伊勢の五十鈴川の川上に伊勢神宮を鎮座、以後代々禰宜をつとめたという。
天児屋根命は古代に天皇家の祭祀関係を司った中臣氏の先祖で、さらにその先祖天御中主尊は天皇家の遠祖でもある。つまり、天皇家と同祖で代々その祭祀を担当していた中臣一族の奉仕する内宮こそが天皇家の本来の氏神で、やがて外宮ができると、そこには同地に勢力のあった豪族度会氏が神官として奉仕するようになったものだろう。
ちなみに、「あらき」とは古語で「新たに開墾した土地」という意味。伊勢は大和に本拠を置く大王家(天皇家)が、新たに開墾した場所だった。
伊勢神宮内宮と宇治橋
五十鈴川