人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ロリー・マキロイの綴り

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2014/07/22 10:14

4日間にわたってロイヤルリバプールGCで行われた全英オープンゴルフ。石川遼は予選落ち、2日目まで上位に食い込んでいた松山英樹も後半失速して日本人は上位に入れなかった。

今年優勝したのは25歳のロリー・マキロイ。テレビの画面では、名前の横に見たことのない国旗が表示されていたが、これは北アイルランドの国旗である。一般的には北アイルランドは英国の一部だが、全英オープンでは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドはそれぞれ別の国として扱われているらしく、なじみのない国旗が登場する。

さて、優勝したマキロイ、英字表記では、McIlroy、と出る。この綴り、表示される英字のフォントによっては、3文字目と4文字目がともに「l(エル)」に見えるため、子音だらけ不思議な綴りにみえる。実は、3文字目は大文字の「I(アイ)」で、4文字目が小文字の「l(エル)」なのだ。

英語圏の名字にしばしば見られる「マク〜」「マック〜」という言葉は「Mc〜」「Mac〜」と書き、「〜の子ども」という意味の接頭辞。そして、その後ろは再び大文字から始まる。たとえば、ハンバーガーの「マクドナルド」は「McDonald」と「D」は大文字になっている。

McIlroyという名字は北アイルランド独特のものでゲール語に由来し、”The son of the red haired youth”、赤毛の青年の息子という意味らしい。

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