人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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城ヶ島の由来

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2014/04/28 09:01

三浦半島の先端に城ヶ島という小さな島がある。京浜急行の「三崎まぐろ切符」という企画切符が話題とのこともあり、三崎・城ヶ島に出かけてみた。

京浜急行久里浜線の終点は三崎口。「三崎」とはついているものの、本来の三崎とは遠く、半島中央部の丘陵の中という中途半端な位置にある。これは、もともと油壺を経由して三崎港まで伸ばす予定だった線がここで中断してしまったもの。そのため、三崎口には取り立てて何もなく、駅前から三崎や油壺に向かってバス便が伸びている。

今回は三崎港で食事と観光船「にじてろさかな号」に乗ったあと、対岸の城ヶ島に渡ってみた。昭和35年に城ヶ島大橋ができたため、今では島までバス便が通じているが、三崎港から対岸までは渡し船も運行されている。船着き場に行くと、船が出た直後だったが、手を振ると戻って来て載せてくれた。片道大人300円、定員12人で、三崎に戻るときは船着き場のブザーを押してくれ、というのんびりしたものだ。

この城ヶ島、「大日本地名辞書」を見ると、その由来として「城があったため城ヶ島といった」「古くは尉ヶ島だったがのちに改めた」という2つの説が掲載されている。現在では、元は尉ヶ島で、後に城ヶ島になったという説が有力らしいが、その時期や変えた理由についてはいろいろあるようだ。



三崎港



城ヶ島の干潟



馬の背洞門

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