人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ビットコイン考案者のナカモト・サトシ氏

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2014/03/17 11:07

先日から話題になっているビットコイン。東京にあった最大の取引所が「攻撃」によって破綻すると、海外でも似たようなことが明らかとなった。
そもそも、円やドルといった現代の貨幣は、国家による信用の裏打ちがあって成り立つものであり、こうした裏付けのないビットコインが、いわゆる“貨幣”に相当するのかどうかも注目を集めている。

ところで、このビットコイン、考案者がナカモト・サトシ氏という日本人といわれ、今アメリカのマスコミでは本人探しに躍起になっている。
先日、なんとその余波で私のところにも、ニューヨークタイムズから取材の依頼があった。「ビットコインのナカモト・サトシ氏を発見した」として報道された日系アメリカ人が、「私は違う」と言っているのを受け、「ナカモト・サトシ」という名前は、日本では同姓同名の別人が何人かいる可能性があるのか、というのが取材の趣旨だ。

結論から言うと、「ナカモト」には漢字でいろいろな書き方があり、一番多い「中本」は名字ランキングで500位以内。「仲本」「中元」「名嘉本」などを合わせると、人口にすれば5万人以上はいるはず。また、「サトシ」も40歳以上の男性では、ごく普通なので、「ナカモト・サトシ」さんはかなりの数いるはずだ、という意味のコメントをした。

アメリカ人にしてみれば、「ナカモト」や「サトシ」はあまり聞いたことがないだろうから、同姓同名の「ナカモト・サトシ」さんが多数いる、ということは思いつかないのかもしれない。


ニューヨークタイムズ電子版に掲載された記事はこちら

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