人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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増上寺と徳川家霊廟

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2014/03/11 10:34

東京・芝にある増上寺に行ってきた。
東京都営地下鉄の御成門駅(三田線)と大門駅(浅草線・大江戸線)の2つの駅名は、ともに増上寺に由来している。

大門駅は増上寺の総門に由来している。地名としての芝大門は意外と新しく、昭和47(1972)年に付けられたものだが、この地域はもともと増上寺の門前町であり、古くから芝大門といわれていた。
一方、御成門駅は増上寺の御成門が由来。「御成門」とは寺院が貴人の参詣を迎えるために作った門のことで、増上寺は徳川将軍家の菩提寺であったことから、将軍家専用の御成門があった。


増上寺三門

実は、徳川家の菩提寺は一つではなく、上野の寛永寺も菩提寺である。そのため、増上寺にある将軍の墓は2代秀忠、6代家宣、7代家継、9代家重、12代家慶、14代家茂の6人。

増上寺そのものはいつでも入れるが、境内にある徳川家霊廟が公開されるのは土日祝のみ。500円を払って中に入ると、前記6人の将軍に、秀忠夫人のお江(崇源院)、家茂夫人の皇女和宮の墓と、将軍家ゆかりの35人の合祀塔が設置されていた。


増上寺徳川家霊廟

戦前には国宝にも指定されるほど壮大だったというが、太平洋戦争の際の空襲で大半が焼失、今では東京タワーの下に8基の塔がひっそりとたたずむのみである。

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