人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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国内の「ソチ」

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2014/02/10 10:25

7日夜、ロシアの黒海沿岸にあるソチで冬季五輪が開幕した。
フィギュアスケートの浅田選手や羽生選手、女子ジャンプの高梨選手など、日本人選手の活躍が期待されている。

ところで、「ソチ」という名前は、日本語にあってもおかしくないと思っていたら、7日午後6時から新潟県柏崎市で、「曽地2014 冬の大運動会」と称して、同地区の体育館で運動会を開催するというニュースが報じられた。
曽地とは柏崎市北部、刈羽村との境目付近の地名で、500人近くが住んでいる。柏崎と長岡を結ぶ曾地峠越えの道は、古く「延喜式」にみえ、また菅原文太主演の映画「トラック野郎」シリーズにも登場したという。
7日付の報知新聞によると、「曽地」とは「石油が出る地層がある地」という意味だそうで、江戸時代には越後国刈羽郡曾地村だった。現在の地名は新字体を使った「曽地」と書く。

では、名字ではどうかというと、「曾地」「曽地」という名字がある。あわせて全国で30世帯ほどあり、旧字の「曾地」と新字の「曽地」がほぼ半数ずつ。ともに宮崎市の旧田野町地区に集中している。

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