人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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小保方という名字

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2014/02/03 12:31

「小保方」という名字は全国で500世帯弱。名字ランキングでは5600位前後のため、どちらかというと珍しい名字には違いないが、それほど珍しいというわけでもない。しかし、群馬県東部とその周辺に集中していることから、他地域の人とっては始めて聞いた、という人が多いはずだ。

「小保方」のルーツは群馬県内の地名。伊勢崎市の旧東村地区に古くから「小保方」という地名があり、現在でも「小保方」さんはここを中心に群馬県の東毛地区と栃木県南部に固まっている。

ちなみに、群馬県北部の沼田市周辺には「生方」(うぶかた)という名字が多く、新田義貞の子の家臣の末裔と伝える。そして、生方氏は小保方氏と書いたともいわれ、両氏は同祖の可能性が高い。

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