人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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東急渋谷駅の地下化

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2013/03/18 11:38

3月15日、渋谷駅で一大イベントがあった。

渋谷と横浜を結んでいた東京東横線が、地下鉄副都心線と直通で地下化され、渋谷にあった東急線の始発駅が75年目にして廃止された。現在では多くの路線が他社と乗り入れているため、都心には終端形式(櫛型)のホームはほとんど残っておらず、多くの鉄道ファンが名残を惜しんで同駅を訪れた。

また、渋谷では深夜営業の店も多いことから、最終列車を見送った後、徹夜して翌日朝の一番列車を出迎えたファンも多く、渋谷駅周辺は夜を徹して多くの人で賑わっていた。

渋谷という場所がら経済的な影響も大きく、新聞の一面で報じられた他、テレビ朝日「タモリ倶楽部」で特集が組まれるなど、近年の鉄道ブームを反映して、鉄道ファンだけではなく社会的な現象にもなった。

ところで、現在では日本を代表する繁華街の渋谷だが、昭和のはじめには駅の周辺以外はまだ郊外の雰囲気を残していた。

青山に住んでいた宮脇俊三の「昭和八年 澁谷驛」(PHP研究所,1995)によると、東横線が開通してまだまもない昭和7年頃の渋谷駅の周辺の様子は、「(駅の)周辺は人家が密集していたが、その一角をはずれると随所に「原っぱ」と呼ばれる空き地があった」とある。

地下鉄との直通で、このあと人の流れは大きく変わる可能性もある。変貌を続けて来た渋谷が、今後どう変わっていくかがたのしみだ。



渋谷駅・旧東横線ホーム
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