人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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池上本門寺

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2013/02/18 10:41

城南の住宅地の中を3両編成の電車が走る東急池上線。この池上駅前の五差路を右斜め前に入ると、突如門前町の風情がただよってくる。やがて髭題目石塔という大きな巨大な石碑があり、橋を渡ると日蓮宗大本山池上本門寺である。

このあたりは城南地区の平地だが、寺は小高い丘陵上にある。加藤清正が寄進したという96段ある石段を登って立派な山門を潜ると本門寺の境内に入るが、建物は意外と新しい。というのも、戦災で焼けて戦後に再建されたものだからだ。



池上本門寺山門


その中で、右手に離れて立っている五重塔だけが古色蒼然としていた。五重塔は江戸時代初期に2代将軍徳川秀忠が建立したもので、江戸中期に再建された。本堂から少し離れているためか戦災にあわず、国の重要文化財に指定されている。



五重塔


寺の左手奥には日蓮を荼毘にふした跡にたてられたという宝塔があった。幕末、日蓮の550回忌に再建されたもので、こちらも国の重要文化財。朱塗りで丸く、周囲4ヶ所に扉についた、あまりみかけない不思議な建造物だ。



宝塔


その奥には著名人の墓がいくつかあるが、一番の奥のやや高くなった一角は紀伊徳川家の墓地。他の大名と同じく当主の墓はなく、江戸住まいだった藩主の妻の立派な墓石が並んでいる。



紀伊徳川家の墓地
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