会津藩士の系譜

著者プロフィール

森岡　浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ) 　→ https://office-morioka.com/ ●ツイッター　→ http://twitter.com/h_morioka ●facebookページ　→ https://www.facebook.com/officemorioka/ ●Instagram → https://www.instagram.com/office_morioka/

会津藩士の系譜

2013/01/21 10:14

大河ドラマ「八重の桜」は、幕末の動乱に近づいてきた。

ドラマには八重の実家山本家や家老の西郷家など、多くの会津藩士が登場する。こうした会津藩士の系譜などを集めた資料が、幕末の文政年間に編纂された「諸士系譜」である。

「諸士系譜」は、独札と呼ばれる藩主に直接お目見えできる藩士1000人強の家系などを収録したもので、会津藩士について調べる基本資料。現在は写本が会津若松市立図書館に所蔵されているが、一般人がこれを閲覧して理解するのは難しい。

そこで、これをもとに「御近習分限帳」や「外様分限帳」など、いくつかの資料と合わせて会津藩士の系譜を集大成、活字化して簡潔にまとめられた資料が刊行されている。

1997年と2001年に地元の歴史春秋社から刊行された芳賀幸雄著「要略　会津藩諸士系譜」上下巻で、幕末の会津藩士1,043名について、本人の略歴だけでなく、出自や系譜、家紋、屋敷、墓所などが表形式でコンパクトにまとめられている。

要略　会津藩諸士系譜

会津藩士の末裔にあたる人は、この資料をあたることで、自らのルーツをさぐることができる。同社サイトをみたところ、2013年1月現在でも取り扱い中とのこと。専門資料集のため高価だが、それだけの価値のある資料集といえる。