人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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百舌鳥・古市古墳群を世界遺産に

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2012/09/18 09:10

大仙古墳の南側に、もう一つ大きな古墳がある。大仙古墳、誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん,応仁天皇陵)に次いで、日本で3番目に大きな古墳、上石津ミサンザイ古墳(履中天皇陵)である。履中天皇は仁徳天皇の子で第17代天皇。中国の史書に見える「倭の五王」の一人、讃であるとされる(異説もある)。



上石津ミサンザイ古墳


あまり知られていないが、この古墳もかなり広大な古墳で、その正面に立っても全貌は全くわからない。

この地域にはこうした巨大な前方後円墳が集中しており、これらの古墳群を総称して百舌鳥・古市古墳群という。堺市ではこれを観光資源にすると同時に、世界遺産入りを目指している。

私が訪れたときも大仙古墳の周辺にはボランティアガイドが何人かおり、ガイドブックを配って丁寧に説明をしていた。そのガイドから、堺市役所の展望ロビーからだと古墳の全体像がみえると聞いて、翌日に行ってみた。



堺市役所からみた古墳


政令指定都市となった堺市の市役所は南海の堺東駅の近くにある。市役所の前には「百舌鳥・古市古墳群を世界文化遺産に!」という大きな垂れ幕があり、360度が見渡せる21階の展望ロビーでは、古墳群の説明もあってわかりやすい。



市役所の垂れ幕


そして、地面からではただの小山にしかみなえなかった大仙古墳の全体を見ることができる。高度が足りないため、鍵穴の形まではわからないが、その大きさは実感することができた。
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