人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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ロンドン五輪オフィシャルサイトを見ると

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2012/08/06 10:19

ロンドン五輪のオフィシャルウェブサイトには、参加全選手の情報が掲載されている。国別、競技別、全選手一覧など、検索機能もあって便利だ。

米国や英国、フランス、ドイツなどの人名はニュースなどでもよく見るが、アフリカ・中南米・オセアニアなどの小国の人名はあまり見かけない。外国のWHO’S WHOでも欧米の人物がほとんどで、世界各国の人名を一堂に見られる機会はあまりない。

さて、このサイトを使って五輪出場の全選手をアルファベット順にみてみると、中国の柔道60キロ級に出場した、「Lamusi A」という選手がトップにある。サイトでは「A」を名字と判断しているようだが、ネット上では「Lamusi」が多い。この選手、中国とはいっても内モンゴル出身のため、姓−名という概念がないのかもしれない。

続いてはフランスの男子陸上1500m代表のJamale Aarrass選手で、こちらが実質的な先頭のようだ。

一方、一番最後は「Z」で始まる選手だが、なんと200人以上もいる。英語圏であまり多くないのでなじみがないが、それほど珍しいというわけでもなさそうだ。

「Z」の中でも一番最後にあるのが、ポーランドのパレーボール代表、Lukasz Zygadlo選手。正しくは、「L」には斜め線、「Z」の上には「・」が入る。こうした変音記号も英語以外では別に珍しくはない。オリンピックは、英語圏以外の人の名前をまとめて見られるいい機会でもある。
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