人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

近代デジタルライブラリー

このエントリーをはてなブックマークに追加

2012/06/04 13:01

先週書いた『寛政重修諸家譜』は名字研究の際には必須の基本文献である。高い本のため、私も学生時代にコツコツと1冊ずつ購入していったが、なかなか個人で全巻揃えるのは難しい。

東京だと都立中央図書館では全館開架で置いたあるため使いやすいが、区立や市立レベルの図書館ではなかなか置いていない。

ところが、この『寛政重修諸家譜』がネットで見られるのだ。『寛政重修諸家譜』は現在一般的な26巻本の他に、大正時代に刊行された8巻本のものがある。これが国立国会図書館の近代デジタルライブラリーでPDF化されて公開されているのだ。

最近はgoogleが世界中の本を独自にスキャン・公開して、各国の著作権者との間で大規模な訴訟沙汰となるなど、ネットと著作権のトラブルは絶えない。そうしたなか、国として著作権的に問題のない資料類をデジタル化してインターネット上で公開しているのが、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーである。

『寛政重修諸家譜』は、「寛政重脩諸家譜」と「脩」の字にしないと検索できないなど、融通の利かない部分も多いが、自宅で直接この資料を閲覧できるのは大きい。とくに図書館などでは、せっかくいっても、誰かが閲覧中だと見ることができないが、ネット上ではそういうことはない。

こうした文化資産のデジタル化は、外国の1企業にゆだねるよりは、国が管理公開した方がいいに決まっている。

すでに高価な書籍を購入してしまった私としてはちょっと悔しいが、今後も良質な資料類の公開を続けてほしい。

近代デジタルライブラリー
http://kindai.ndl.go.jp/

寛政重脩家譜
http://kindai.ndl.go.jp/search/searchResult?SID=kindai&searchWord=%E5%AF%9B%E6%94%BF%E9%87%8D%E8%84%A9%E8%AB%B8%E5%AE%B6%E8%AD%9C

このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ