人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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最年長五輪出場の法華津さん

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2012/03/05 10:28

4日のスポーツ新聞に、71歳で五輪出場という記事が載っていた。

馬場馬術の国際連盟が発表したランキングによると、フランスのビドーバンの大会で優勝した法華津(ほけつ)寛選手がアジア・オセアニア地区のトップとなり、ロンドン五輪への出場を確実にしたというのだ。法華津選手は今月末には71歳となり、日本人の最年長五輪出場記録を更新することになる。

法華津選手は、23歳のときに障害飛越で東京五輪に出場したのち、馬場馬術に転向した。1988年のソウル五輪は馬が検疫にひっかかって出場を断念したが、2008年の北京五輪に67歳で出場して日本人最年長となると、今回はその記録を更新して、70歳代での五輪出場となった。

法華津という名字は珍しい。「報知新聞」には祖先は伊予水軍の海賊とあるが、そのルーツは伊予国宇和郡法華津(現在の愛媛県宇和島市吉田町)。法華津氏は、戦国時代には水軍を率いて、この地方の戦国大名である西園寺氏に従っていた。

しかし、西園寺氏が滅びると、新しくやって来た領主・戸田勝隆によって水軍の地位を追われたため、一族は海を渡って豊後国(大分県)に逃れたという伝説が残っている。実際、現在「法華津」という名字があるのは大分県南部なのだ。

ちなみに、1984年のロス五輪ではなんと馬術の補欠(ほけつ)だったこともある
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