人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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中学生からのインタビュー

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2011/11/07 10:31

先日に中学生からインタビューを受けた。

世田谷区にある昭和女子大学中高部の文化祭で、中学3年生のあるクラスがクラス発表との題材として名字を取り上げることになり、その締めくくりとしてインタビューをさせてほしい、という依頼があったからだ。

事前に在籍している中高生の名字を調査、さらに本人にアンケートも取っており、その結果をもとにしていくつかの質問を受けた。

公立の中学校だと、かなり狭い範囲の生徒が集中するため、どうしても名字には偏りがみられる。しかし、同校は私立のため生徒は東京・神奈川の広い範囲に広がっており、最多は「鈴木」で生徒に占める割合は約2%と、関東南部の名字分布と見事に一致する。

また、本人へのインタビューでは、「名字には関心があるが、自分の名字の由来はわからない」という回答が圧倒的に多いこともわかる。つまり、名前の由来は両親に聞けばわかるものの、名字の由来は答えてくれる人がいない、ということを顕わしている。

実際、学校で教えてくれるわけでもなく、歴史の本を読んでも、名字の由来が書いてあることは珍しい。

もちん、かなり正確に名字の由来を把握している生徒もいるが、それは少数派にすぎない。

また、インタビューの結果、中学生よりも高校生の方が明らかに正確な回答が多いという結果もでたとのこと。これは、名字のルーツは日本史の一環のため、ある程度の日本史の知識がないと理解することが難しいからだろう。

こうした中高生に対する名字のアンケートというのは珍しく、かなり貴重な調査といえる。

結果は、12日(土)、13日(日)の昭和祭で発表される予定。
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