人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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「田中宏和」さんがギネスに申請

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2011/10/24 11:04

西日本スポーツ新聞で面白い記事をみつけた。

それは、15日に全国から「田中宏和」さんが67人も集合、「同姓同名の最大の集い」としてギネスブックに世界記録を申請するという。

あらかじめギネス・ワールド・レコード社に連絡しており、50人以上集まれば認定とのお墨付きももらったうえでのイベントだ。集合場所となった東京・青海の会場に集まったのは50人を大きく超える71人。

しかし、本名であることを証明するための住民票を忘れたり、急用で帰宅するも出て、実際に参加したのは67人。それでも基準を大きくクリアして、世界記録と認定されるのは時間の問題とか。

この企画を催したのは、当然「田中宏和」さん。かつて、「田中宏和さん」という書籍も刊行しており、以来「田中宏和運動」を続けている。

実は「田中宏和」という名前はそれほど多いわけではない。日本一多い同姓同名は、おそらく「田中実」で、「田中宏和」の10倍以上いると思われる。この日集まった「田中宏和」さんは、日本にいるすべての田中宏和さんのうち、かなりの割合を占めているのではないだろうか。

この会では、自己紹介をするとみんな「田中宏和です。」となる。そこで、かならずニックネームをつけることになっているという。それぞれ、職業や出身地にちなんだニックネームを使用しているが、これは庶民における名字や屋号の発生過程と同じなのだ。期せずして壮大な実験を行っているともいえる。
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