人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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富士6湖が出現

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2011/10/11 11:59

9月末、台風15号によって各地に大雨が降ったが、その影響で富士山麓の精進湖近くに6番目の湖である「赤池」が出現し、一時的に富士5湖ならぬ“富士6湖”になっている。

6番目の「赤池」の所在地は精進湖から国道139号線を河口湖方面に行ったところ。精進湖とは地下水脈でつながっているらしく、大雨の影響で精進湖の水位が上昇すると出現するとみられている。

今回の出現は、2004年10月以来7年ぶり。テレビで何度か紹介されたこともあり、ニュースを聞いて連日観光客が訪れているとのこと。

面白いのは、富士山の周辺には「赤池」という名字があることだ。「赤池」姓は全国順位で1500位あたり。珍しい名字というわけではないが、その半数以上が静岡県と山梨県に集中している。

とくに集中しているのは山梨県では旧下部町(身延町)、静岡県側では富士宮市ということで、「赤池」の所在地とは少し離れているが、ルーツの地と集中地域が離れているのは、珍しいことではない。

ところでこのニュース、私がみたのは青森県の東奥日報の写真入りの記事。ところが、山梨日日新聞や静岡新聞では見当たらなかった。水位が上がれば赤池が出現するのは地元としては常識で、それほどニュース価値はないのかもしれない。
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