人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

山梨県の新しい市名

2011/07/25 10:23

先日、山梨県にもも狩りに行ってきた。

中央本線のお座敷列車で往復し、現地では、もも狩りだけでなく、一日入浴や、テレビで有名なアウトレットセンターに、ワイン工場見学まであるという、日帰りににかかわらず盛りだくさんのツアーである。



お座敷列車



ワイン工場の樽


山梨県は、笹子峠を境に、大きく東部の郡内と、中央部の国中にわかれる。国中は甲府盆地が広がっていることから、かつては小さな町村がたくさんあった。

平成の大合併でこれらの町村が合併して新しい市が誕生したのだが、その結果非常にわかりづらくなっている。

県庁所在地の甲府市は、「甲斐の府中」という意味。固有名詞というよりは、一般名詞に近い。そして、県名と同じ山梨市が別にあった。

平成大合併では、ぶどうで有名な勝沼町が塩山市などと合併して「甲州市」となった。「甲州」とはもちろん「甲斐国」という意味。

甲府市の西にあった、竜王・敷島・双葉の3町は合併して「甲斐市」に。これは旧国名そのまま。

甲府市の南側の玉穂・田富・豊富の3町村は合併して「中央市」という方角だけの市名となった。

その結果、「甲斐」「甲州」「甲府」「山梨」「中央」という漠然とした地域名の市が国中に並び、市名を聞いただけではどこなのだかよくわからない。「勝沼」というブランド名を捨てて甲州市となったのは正解だったのだろうか。